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2009年(平成21年)

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2009年12月28日(月)
 イノシシ捕獲 (美馬市脇町東田上)
 宇民さんのククリ罠に小型のイノシシが掛かった。場所は、東田上東部の八屋敷方面へ至る山道沿いの雑木林の斜面。
 午前中は霧雨が降っていたため、落ち葉に覆われた山肌は湿っていて、林の中を歩いていると樹上から時々水滴が落ちてくる。

   (午後1時頃撮影)  捕獲記録写真はこちらをクリック→→→
2009年12月15日(火)
 所長サンの腕前
 少し前になるが、長崎県対馬市の職員が無許可でワナを仕掛けていて、シカなどを捕獲し勤務中に近くの山や職場内で解体していたということで問題になっている。
 この職員、対馬市北部衛生センターの所長サンだそうで、狩猟免許を持たず無許可で職場周辺の山林にワナを10カ所ほど設置していたようだ。
 市は「1頭30分程度で解体するなど上手だったと聞いているが、職場には所長を含めて職員が数人しかおらず、勤務を優先させるべきだった」といっているそうで、このコメントもなんだか少しポイントがずれているような気もするが・・・。
 ところで、この所長、イノシシ1頭の解体をわずか30分で出来るんだそうで、かなりのベテランだ。そのため知人らから解体を依頼されることもあったそうだ。無許可での捕獲などは法律違反であり同情の余地は無いが、解体の腕だけは買いたいww

                                       ※

 対馬にはイノシシ被害に対する予防策を目的とした厳格な条例(下記)がある。この条例を見ると、イノシシの管理に対する行政の並々ならぬ思いが伝わってくる。

○対馬市イノシシの所持又は持込みの禁止等に関する条例施行規則
平成16年3月1日
規則第86号
(イノシシの持込み又は飼育等の許可申請の手続)
第1条 イノシシの所持又は持込みの禁止等に関する条例(平成16年対馬市条例第168号。以下「条例」という。)第3条第1項の規定によるイノシシの持込み又は飼育等の許可申請の手続は、イノシシの持込み又は飼育等許可申請書(様式第1号)により、必要な書類を添付の上行わなければならない。
(イノシシの所持、持込み又は飼育等届出書の様式)
第2条 条例第3条第2項の規定によるイノシシの所持、持込み又は飼育等の届出は、学術調査のためのイノシシの所持、持込み又は飼育等届出書(様式第2号)により、必要な書類を添付の上行わなければならない。
(イノシシの所持又は分娩の届出)
第3条 条例第4条第1項の規定による届出は、イノシシの所持又は分娩の届出書(様式第3号)による。
(イノシシの飼育等の施設要件等)
第4条 条例第5条の規定による飼育施設は、イノシシの逃亡を防止するに足りる十分な強度を持った飼育施設であり、その飼育施設の要件は、次のとおりとする。
(1) 出入口は、2箇所に施錠できる構造であること。
(2) 底部は、原則として100ミリメートル以上の厚さの鉄筋コンクリート製とし、その鉄筋は、径9ミリメートル以上とする。
(3) 前号の規定にかかわらず、底部が土の場合は、イノシシの掘り起こしによる逃亡を防ぐため、側壁と接する部分のみをコンクリートにしてもよいものとすること。ただし、その場合は、コンクリートの幅は100ミリメートル以上、深さは300ミリメートル以上であること。
(4) 側壁は、径16ミリメートル以上の鉄筋又はそれと同等以上の強度を有するものを井桁状に組み合わせた構造とすること。その際、鉄筋等の間の長さは、縦幅150ミリメートル以内、横幅1,000ミリメートル以内又は縦幅1,000ミリメートル以内、横幅150ミリメートル以内であること。
(5) 上部の構造は、側壁の高さが1,400ミリメートル未満の場合は、天井を設置することとし、天井は、径9ミリメートル以上の鉄筋又はそれと同等以上の強度をもつものを井桁状に組み合わせた構造とすること。その際、鉄筋等の間の長さは、縦幅400ミリメートル以内、横幅2,000ミリメートル以内又は縦幅2,000ミリメートル以内、横幅400ミリメートル以内であること。
(6) 上部の構造は、側壁の高さが1,400ミリメートル以上2,000ミリメートル未満の場合は、天井又は返しを設置すること。この場合において、側壁と返しの角度は135度以内、返しの長さは500ミリメートル以上とし、強度及び間隔は天井に準ずること。
(7) 側壁の鉄柵等は、底部の鉄筋コンクリートに強固に連接していること。
(8) その他イノシシ監督職員が必要と認めて指示した要件を満たすこと。
2 条例第5条の規定による輸送施設はイノシシの逃亡を防止するに足りる十分な強度を持った箱檻であり、その箱檻の要件は、次のとおりとする。
(1) 側壁、上部(天井部)及び底部は、溶接で強固に接続された鉄柵又は鉄柵と同等程度以上の強度の金属製(以下「鉄柵等」という。)とし、その太さは、16ミリメートル以上であること。
(2) 扉は、前号と同等程度以上の強度を有するもので、上下に昇降させて開閉する構造で、かつ、施錠できる構造であること。
(3) 側壁、上部(天井部)及び底部の鉄柵等の間の幅は、100ミリメートル以内とし、これらの鉄柵等の中途を500ミリメートル以内の間隔で鉄柵等の間を当該鉄柵等と同等程度以上の強度を有する鉄柵等で連接してあること。
(4) その他イノシシ監督職員が必要と認めて指示した要件を満たすこと。
3 前2項の要件を満たした飼育施設等の整備が完了した場合は、イノシシ飼育施設等確認申請書(様式第4号)により、必要な書類を添付の上市長に確認申請を行わなければならない。
4 前項の確認申請を受けた市長は、イノシシ監督職員に当該施設の検査を行わせ、その検査の結果、当該施設が必要な要件を満たしていると認めた場合は、イノシシ飼育施設等確認証(様式第5号)を当該申請者あて交付するものとする。
(許可証の様式)
第5条 条例第6条第2項の規定による許可証は、イノシシの所持、持込み又は飼育等許可証(様式第6号)による。
(イノシシの飼育頭数に変動があった場合の届出)
第6条 条例第6条第3項の規定による届出は、イノシシ飼育頭数変動の届出書(様式第7号)による。
(イノシシが逃亡した場合の届出)
第7条 条例第6条第4項の規定による届出は、イノシシ逃亡の届出書(様式第8号)による。
(学術調査のために行う放獣承認の申請)
第8条 条例第7条第1項の規定による承認申請の手続は、イノシシ放獣承認申請書(様式第9号)により必要な書類を添付の上行わなければならない。
(承認証の様式)
第9条 条例第8条の規定による承認証は、イノシシ放獣承認証(様式第10号)による。
(イノシシ監督職員証の様式)
第10条 条例第9条の規定による証票は、イノシシ監督職員証(様式第11号)による。
附 則
(施行期日)
1 この規則は、平成16年3月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規則の施行の日の前日までに、合併前のイノシシの所持、持ち込みの禁止等に関する条例施行規則(平成14年厳原町規則第8号)、イノシシの所持持ち込みの禁止等に関する条例施行規則(平成13年美津島町規則第10号)、イノシシの所持、持ち込みの禁止等に関する条例施行規則(平成13年豊玉町規則第11号)、イノシシの所持、持ち込みの禁止等に関する条例施行規則(平成13年峰町規則第10号)、イノシシの所持、持ち込みの禁止等に関する条例施行規則(平成13年上県町規則第17号)又はイノシシの所持、持ち込みの禁止等に関する条例施行規則(平成13年上対馬町規則第13号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの規則の相当規定によりなされたものとみなす。

            ※法律や条例などは著作権法第十三条で権利の目的物にならないことが規定されています。

2009年12月2日(水)
 セキュリティ上の理由により
 先月の当サイト全体の月間ページビューは34000で、1日平均では1100PVとそれほど多くはない。ユニークアクセスは1日200人位で多くはイノシシ関連のページが占めている。
 以前にも書いたとは思うが、それでも受信メール数はかなり多い。その99パーセント以上がスパムメールだ。そのためフィルターを極めて厳しく設定してある。したがってほとんどのメールがスパムとして分類される。各種のキーワードはもちろん、初めてのメールに添付ファイル付きの場合もスパムとして処理される。HP上からのメール発信にはあらかじめ件名が設定してありそれ以外もスパムに分類される。
 勝手ながら( 住所、フルネームの氏名、連絡先電話番号 )の記載の無い質問メールに対しては、セキュリティ上の理由により、こちらから直接メールによる返信はしません。

                                                                                 *     *    *

 ところで、先日、愛知県のI先生からイノシシ用のククリ罠についての質問メールを頂いたのだが、添付ファイル(
コンピューターウイルスVBS.Redlof.A)があったため、フィルターでスパムメールに振り分けられていたのでここで簡単にお答しておきます。

 ご質問のククリ罠の詳細な寸法の件については、私自身は罠猟を行っておりませんし、したがって罠本体も所有していないのでわかりません。一度市販品を購入して採寸することをおすすめします。寸法以外のことは、当サイトのページが参考にはなると思います。
 罠猟は、罠の種類などより、まずは獲物の行動ルートを把握する能力(見切り)に全てがかかっています。罠の種類は色々ありますが、極端に言えば、市販されている罠であれば、最初はどれでもいいと思います。ある程度、慣れて見切りが出来るようになる頃には、自然に自分の好みの罠が決まると思います。
2009年12月1日(火)
 イノシシと豚
 イノシシは冬期には脂肪を蓄えていて体重も増えてくる。しかし野生イノシシの脂肪はあくまで皮下脂肪であって、内臓脂肪ではない。常に餌を求めて動き回っている野生イノシシの肉は脂肪と筋肉がハッキリと分かれているのだ。
 しかし、狭い檻の中で飼育されているイノシシは、餌が豊富で運動不足のためか、肥満状態になっているように見える。野生イノシシとの違いは顔が太ってくることにより顔の長さが短く見える。そのため顔が豚に似てくるのだ。
 ほお肉のたるんだその顔を眺めているとイノシシを家畜化し品種化したのが豚であるということが実感できる。
   (写真は新町地区の民家にて飼育されている2頭のイノシシ  本日午後撮影)
2009年11月16日(月)
 フスマの周辺 (脇町東田上地区)
 写真の茂みは、東田上のフスマと呼ばれる場所のすぐ上にある耕作放棄地。郷土史家の真鍋利夫さんによると、フスマ(府隅)とは城域の境界地点にあたる場所を指し、スマとは隅の方言であるらしい。ここでの城域とは、岩倉城のことである。

 かつては、フスマとその周辺には大小の水田やため池があったのだが、四国縦貫道工事による用地買収によって激減した。その後残っていた水田も持ち主が耕作できなくなり、写真のような葛やススキなどに覆われ、今では水田の跡形もない。ここは陽当たりも良く、茂みの中にはヌタ打ち出来るようなため池もあり、まさにイノシシの潜む環境だ。周辺を歩いてみると、イノシシの糞もあり、以前からヌタ打ち後に体を擦りつけている立木も残っている。
 ここからさほど遠くない場所で昨年使用したと思われる古巣
(2009年4月2日の欄を参照)があったことから考えると、ここでも、営巣し繁殖することも可能だろう。もしかすると、この中で人知れず すでに繁殖しているのかもしれない。
 現在、東田上地区内では、縦貫道を境にして南側ではフスマの周辺外を含めても、稲作が行われているのは唯一、この田だけになってしまった。
                
(写真左上から クサギ、 ガマズミの仲間、 ナツハゼ、 サルトリイバラ、 ヤブコウジ) 
2009年11月12日(木)
 愛媛からの来訪者
 本日、午前、イノシシ捕獲のノウハウを教わりたいと言うことで、宇民さんのもとへ愛媛県から2人が訪れた。愛媛県新居浜辺りでも以前に比べてイノシシの数はかなり増えているようで農作物被害も目立ち、昼間でもイノシシを目撃することがあるらしい。
 問題の場所は銃猟禁止区域であるため、罠による捕獲を考えているのだと言う。1人は銃猟の経験はあるようだが2人ともククリ罠の経験は無いようで、一通りの説明をした後、宇民家の裏に設置された檻(箱罠)を案内した。
 その後、宇民さんによる、ククリ罠の現物を使っての設置方法や、作動実演などを熱心に写真を撮ったりメモを取りながら見学し昼頃に帰って行った。
2009年11月10日(火)
 14日間の空白 (美馬市脇町東田上)
 イノシシの有害駆除期間は、自治体によって異なる。美馬市では本年度は10月31日で終了した。この日から狩猟解禁日までの14日は駆除も狩猟も出来ない空白期になる。
 イノシシ被害に対する危機感が強い自治体ではイノシシなどに対しては狩猟期間を繰り上げているところも出てきている。猟期は本来は11月15日〜翌年の2月15日までだが、イノシシに限ってはかなり前からすでに美馬市を含め多くの自治体で1カ月延長されて3月15日までというのが定着している。
イノシシに関しては有害駆除期間と狩猟期との間に空白期を無くすのが望ましい。とは言え、実際にはそれぞれの自治体の担当職員がどれだけ危機感をもって取り組むかに全てはかかっているわけだ。

           ※写真は植えられたばかりのブロッコリー畑に入り込んだイノシシの足跡。(本日午前7時30分東田上で撮影)
2009年11月6日(金)
 やっぱり コメ が好きw
 イノシシによる水田への侵入被害は少なくない。今年、西田上地区でもイノシシによる被害を受けた水田がいくつかある。しかし、すでに稲作農家では今年の収穫を終えイノシシの侵入に対する心配からは解放されている。
 ところで、イノシシが市街地へ出没し、パチンコ店のガラスの扉を突き破ったり、学校のグラウンドを走り回ったりといった話題はニュースなどでよく耳にする。
 先月末(10月31日午後7時過ぎ)に、新潟県上越市にある営業中のホームセンターにイノシシが侵入した。通報で駆けつけた警官や猟友会会員らが、倉庫内に閉じこめられていたイノシシを槍を使って止め刺しで仕留めた。今回、イノシシが侵入したホームセンターはイノシシの大好きな
コメリホームセンター上越国分店」ww 
2009年10月29日(木)
 焼き場谷 (美馬市脇町田上地区)
 今日、久しぶりに東田上東部(新山)の焼き場谷へ行ってみた。と言っても、通りかかったついでに少し覗いてみたという程度で谷の奥深くまで入ったわけではない。前回、ここに来たのは1月末であったので、10カ月ぶりになる。8月の台風9号直前の豪雨によるものだろうか、ずいぶんと地形の変わった箇所がある。
 市道、脇町185号線に近い竹林には所々にイノシシの掘り返した跡や足跡が目に付く。今まではこの辺りでは、こうしたイノシシのフィールドサインはあまり見られなかった。
2009年10月27日(火)
 白内障
 昨日、宇民家の裏にあるイノシシ捕獲用檻の内部に仕掛けている罠にタヌキが掛かった。このタヌキ、写真のように眼球が白く濁っている。どうやらかなり進行した白内障のようだ。

 人間同様に犬などのペットでも白内障になることがある。白内障は一般的には老化によるものが多いが、なんらかの病気が原因でおこる場合や先天的な要因が関係していることもあるようだ。
 多くの場合、野生動物は、人間に飼われた場合に比べて、寿命が短いため老化による白内障が進行するまで生きられるとは考えにくいような気がする。とすれば、先天的なものか別の病気による可能性もあるように思うのだが・・

 このタヌキ、やはり、あまり目がみえないらしく、宇民さんが罠を外してやっても、通常のタヌキならさっさと檻の目をすり抜けて走り去ってしまうところを、ずいぶんとモタついてなかなか出られない。見かねて入り口の扉を少し持ち上げてやると やっと下をくぐり抜けて去っていった。
2009年10月23日(金)
 イノシシ捕獲 (美馬市脇町東田上)
 今朝、宇民さんのククリ罠に10Kgに満たない小型のイノシシが掛かった。今年の夏に生まれた個体のようだが既に縞模様は消えていた。いつものように宇民さんと吉村さんがワイヤーで固定し有害駆除として止め刺しで仕留めた。

 捕獲記録写真は明日公開します
UPしました→→→
2009年10月21日(水)
 イノシシ捕獲 (美馬市脇町東田上)
 今朝、宇民さんの罠に中型のイノシシが掛かった。昨日であれば、宇民家を訪れた東京の人たちにも野生のイノシシを見せてあげられただけに少々残念だ。

 イノシシは猟友会会長の藤畠さんに射殺処分してもらった。藤畠さんの話によると本年度の美馬市脇町地区に おけるイノシシの有害捕獲頭数はこのイノシシで108頭になるらしい。

   捕獲記録写真は明日公開します。 
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2009年10月19日(月)
 イノシシの仲間です
 写真は「クビワペッカリーTayassu tajacu」と言う。偶蹄目、イノシシ亜目、ペッカリー科なのだそうだ。背中に臭線を持つなど日本イノシシなどとは違ったいくつかの特徴がある。
 しかし、見た目はなかなか可愛い姿をしている。詳しくはこちらをどうぞ→→→クリック

   
掲載写真は上野恩賜動物園にいるもので、元データは
  http://mirabeau.quu.cc/photo/ueno_zoo4/ueno_zoo_6351.html
2009年10月16日(金)
 イノシシ捕獲 (脇町西田上)
 午後、西田上地区に仕掛けておいたククリ罠に小型のメスのイノシシが掛かった。宇民さんと吉村さんが連携して止め刺しで仕留めた。
 回収後の計量では17Kgあった。
→→→クリック
2009年10月13日(火)
 二番穂
 稲刈りを終えた田は そのまま放置すると切り株から芽が出て再び稲穂をつける。
 この二番穂は、野生動物にとっては貴重な餌になる。野鳥はもちろんのことイノシシにとっても同様である。刈り取りの終えた田はトタン板などの囲いも取り払われていることが多く、自由に出入り可能な状態になっているため動物たちにとっては楽に食べられるのだ。
 しかし、こうして味を覚えたイノシシは翌年には囲いの中の稲穂を狙って早々とやって来るかもしれないということを知っておく必要がある。

      (本日午後、田上地区内で撮影)
2009年10月11日(日)
 イノシシ捕獲 (脇町東田上)
 昨日、大物を仕留めたばかりだが、今朝、再びククリ罠にイノシシが掛かった。今回は宇民家のすぐ裏の山の斜面。54Kgと、比較的大きめのメスであった。
 いつも思うのだが、イノシシの捕獲は偏る傾向があるようだ。何ヶ月も獲れないときがある反面、獲れるときには続けざまに獲れたりもする。

     捕獲記録写真は後日公開します。 
UPしました→→→
2009年10月10日(土)
 イノシシ捕獲 (脇町)
 今朝、脇町にある貞眞寺(山門が美馬市指定の文化財)の裏で大きめのイノシシが掛かった。この近くには吉村浩さんが稲作を行っている田があり、すでに刈り取りは終えているが、8月から9月にかけての稲の乳熟期には何度か侵入されていた。(イノシシ情報2009 9月4日の欄を参照)
 かなりの大物ではあったが、宇民さんと吉村さんの二人がワイヤーで縛り、手製の槍を使って止め刺しで仕留めた。

    捕獲記録写真は後日公開します。 UPしました
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2009年10月8日(木)
 おフクロさん
 イノシシの睾丸である。まぁ、イノシシに限らず多くの野生動物の睾丸は、人間サマと違ってパンツをはかないで野山を駆けめぐっているためかどうかは知らないが、体にピタッとしていて、露天風呂などでよく見かける爺サマのように、ダラ〜ンとはしていないww。そうでなければ、野山で、イバラなどに引っかかってしまう危険性もあるワケで、自然は実によく出来ている。

 ところで、写真の睾丸だが、よく見ると右側が少し上がっていて左右対称ではないが、これは単なる個体差であり、このイノシシがタマタマそうだっただけデスww。
2009年10月5日(月)
 残念
 宇民さんは、毎日欠かさず、罠の見回りを行っている。通常、イノシシが罠に掛かっていれば近くを歩いた時にイノシシの動く音が聞こえるため、必ずしも毎回、罠の側まで行って確認するということはない。ほとんどの場合、これで問題はない。
 しかし、今回は罠に掛かっているのを見落としてしまった。発見時には既に死亡していてかなり時間が経過していたのだ。60Kg位のオスのイノシシであった。やむを得ず有害捕獲としての確認記録を取った後、近くに穴を掘り埋めて処分することにした。 
2009年10月2日(金)
 捕獲したイノシシを食す
 先日、宇民さんが捕獲したイノシシを食べた。夏場のイノシシは不味いなどと言われるが、実際はそうではない。たしかに脂肪の量は少なめだが、野生イノシシは季節よりも個体差の方が大きい。  たとえ脂肪が少なくてもホットプレートで焼いて塩胡椒やタレで食べるととても旨い。 (写真は9/29日撮影)
2009年9月29日(火)
 イノシシ捕獲  (美馬市脇町田上地区)
 今朝、宇民さんのククリ罠に中型のオスのイノシシ(35Kg)が掛かった。猟友会会長の藤畠さんに連絡し有害捕獲としての確認を受けた後、射殺してもらった。
 美馬市脇町地区の有害捕獲数は、これを含めて87頭になると言う。

    捕獲写真は後日公開します。
 9/30 UPしました→→→
2009年9月26日(土)
 池の奥〜安車尾 (美馬市脇町)
 先日、久しぶりに池の奥方面へ行ってみた。吉田家へ至る坂道の下に車を置いて安車尾へ抜ける山道を歩いた。この道は小型車なら かろうじて通れるのだが、やはり先月の豪雨の影響からか ずいぶんと路面が荒れていて、現状ではロードクリアランスのあるジムニークラスの小型四駆でなければ走行は困難な状態になっている。

 山道を少し進んだところの道ばたにイノシシの頭骨(上顎部分)が転がっていた。頭骨の全長は35pあったので少し大きめのイノシシだったようだ。周囲を少し探してみたが、下顎を含めその他の骨は全く見られなかった。この付近には、ほとんど人家がないことから人が棄てたものではないと考えられる。おそらくどこかに浅く埋まっていたものが豪雨で掘り出されたものであろう。
 池の奥から安車尾方面にかけてもイノシシの生息数は多いようで、山道の脇には至る所でイノシシの通り道が見られた。

       (写真は 池の奥〜安車尾へと続く山道、ヤママユの繭、 撮影9月24日)
2009年9月24日(木)
 まずは足もとから(美馬市脇町西田上地区)
 西田上地区にある田である。今年、この辺りの田にはイノシシが何度も侵入し、稲が倒される被害があった。水田のすぐ側にイチジクの木があり、更に少し離れた場所には栗の木も植えられている。いずれもイノシシの好物で、よく見ると食べた跡も見られる。
 この辺りには数枚の田があり、ほとんどの田はイノシシの侵入被害を受けたが、唯一侵入を免れた田がある。写真左端の田でイチジクの木の直ぐ側にある田だ。
 侵入を免れた田と侵入された田との違いは、トタン版の囲い方に違いがある。いずれの田も周囲に打ち込んだ杭にトタン版を固定して囲っているのだが、侵入を免れた田は、地面に対して隙間のないように貼っているのに対して、侵入された田は、トタン版の下の方に10〜15p程度の隙間をあけて貼られているのだ。こうすることによって囲いの高さを増すことを狙ったのかもしれないが、もしそうだとすれば逆効果である。

 イノシシはある程度の高さのある障害物を目にすると、乗り越えることよりも、まずはくぐり抜けようとするようだ。
そのため、地面付近に少しでも隙間があれば鼻で押し上げられて侵入されてしまう。イノシシ対策として農地を囲う場合には、なによりもまず足もとをしっかりと隙間をなくすることが重要だ。
2009年9月23日(水)
 《イノシシ肉まん》と《クマの肉まん》
 全国的にシカやイノシシなどによる獣害が増えている。そのため自治体レベルで有害駆除として数を減らすことに力を入れている地域も多い。駆除されたイノシシなどは、従来はシーズン外ということであまり利用されず厄介者扱いされることもあったが、最近では有効利用もいろいろと考えられている。

 静岡県の山間部にある清沢ふるさと交流施設「きよさわ里の駅」では、有害駆除されたイノシシの肉を使った「イノシシ肉まん」を開発した。イノシシ肉を使ったカレーや肉まん自体はすでに他の地方でも作られているが、独自性を出すため地元産の具材を用い、何度となく試作を重ねた末に完成に こぎつけたのだと言う。

 さて、一方がイノシシなら こちらは「クマの肉まん」が発売されたというお話。こちらはなんとコンビニでも買えるらしい。発売元は、あの「井村屋製菓」。 肉まんの表面にカラメル色素などで着色し、可愛いクマの顔の形に仕上げているんだとかで、残念ながらと言うか、当然と言うかクマの肉は使っておりませんwww。
2009年9月16日(水)
 小さな争奪戦 (脇町東田上地区)
 今日は、昨日とは うって変わって朝から晴れて青空が拡がり空気が澄んでいて心地よい。
 久しぶりに東田上東部の八屋敷方面へ行ってみた。トビヤス
(※注)の廃屋の裏山から八屋敷へと軽トラック一台がかろうじて通れるほどの山道が続いている。

 道は8月の豪雨の影響か、所々に小さな崩れはあるものの、被害は黒北谷ほどではない。それでも路面に崩れ落ちた土砂のために道幅の狭くなった箇所もあってバイクはともかく、車の通行はかなり危険な状態になっている。
 八屋敷の山には、宇民家の山林があって栗の木もある。イノシシは、秋にはこの栗を食べにやって来る。ここでは毎年、この時期になると宇民さんとイノシシの間で栗の争奪戦が起きている。
 イノシシは栗の実を噛み砕き中身を食べた後、内側の固い皮だけを吐き出す。周りを見るとトゲのある栗の外皮は多数落ちてはいたが、イノシシの食べた跡は僅かだったので、今年は宇民さんのほうがイノシシに競り勝ったのだろうか?

 八屋敷から本屋敷へと下る途中、山の斜面で2頭の子供のイノシシを見かけた。距離は10メートル位で、驚いたイノシシは一瞬、動きを止めてこちらを見た後、特有の鳴き声を発してそのまま茂みに走り込んだ。

           (※注、トビヤスという地名は、《鳶(トビ)が巣》を造っていたことからトビガス→トビヤスへと変化したと言われている)
2009年9月15日(火)
 落ち穂拾い (美馬市脇町田上地区)
 場所は西田上地区にある最近収穫を終えた田である。この辺りの田には早くからイノシシが侵入していて稲が倒されたりしたため、さらなる被害を避けようと、少し早めに刈り取ったようだ。しかし、すでに踏み荒らされた箇所の稲は機械では完全に刈り取ることが困難であるため、通常の田よりも籾のついた稲穂が多く残ってしまった。

 収穫を終えると この辺りには滅多に人は来ないうえ周囲を囲っていたトタン板が撤去されたため、イノシシたちは思う存分時間をかけて、残されていた稲穂を拾って食べたのだろう。刈り取り跡の田に残されていたイノシシの糞は何カ所にも渡って散乱していて量も多かったことから、おそらく2〜3頭はやって来た可能性がある。    
(撮影 本日午前9時過ぎ)
2009年9月10日(木)
 黒北方面(美馬市脇町田上地区)
 今日、午前9時前から、久しぶりに横井出の山道を通って黒北方面へ出かけた。歩いていると汗もかくし決して涼しくはないが、それでも一ヶ月前に来た時と比べるとずいぶんとマシだ。山道沿いには、ヤブランが至る所で薄紫の花を咲かせている。
 黒北の廃家電跡地にあるヌタバには、最近イノシシがやって来ているようでヌタ打ちの跡や大小の足跡が見られた。イノシシの通り道もかなり目についた。
 山道の傍らに、一輪のカワラナデシコが咲いていた。ピンク色が美しいこの花、以前は田上地区の山でも普通に見られたのだが、近年は全く見ることが出来なかったのだ。

     (写真上段中左はイノシシのヌタ打ちの跡、 写真中右は半日陰を好むユリ科のヤブラン、 写真右端はイノシシの通り道
      (写真下段左端はヌタバの周囲につけられたイノシシの足跡、 写真中左はカワラナデシコ、 写真中右の足跡はタヌキか?
2009年9月10日(木)
 イノシシが関係した交通事故
 このところ、イノシシが関係した交通事故が続けざまに何件か発生している。

■9月2日夜、岐阜県海津市南濃町上野河戸の養老鉄道の踏切で侵入してきたイノシシと普通列車が接触、急ブレーキをかけ現場に3分停車したものの、乗客に怪我はなくイノシシはそのまま逃げ去った。

■9月4日夜、三重県菰野町(こものちょう)の町道でイノシシの親子をはねた乗用車が、のり面に衝突し、運転していた58歳の女性が死亡するという事故が発生。イノシシ2頭も死亡。

■9月8日の午後、福島県西郷村の農道で、飛び出してきたイノシシを避けようとし、急ハンドルを切った35歳の男性の運転する乗用車が、道路脇ののガードレールに衝突、そのまま乗り越え、約5メートル下の杉林に転落した。男性は首などに軽傷を負った。

■9月9日朝、和歌山市内原のJR紀勢線で、普通電車が、線路内に侵入したイノシシと衝突した。イノシシは即死、乗客に怪我人などは無かった。この事故で近くの駅での車両点検で10分遅れで発車したが、紀勢線が乗り入れしていた阪和線の27本の運行に支障が起き影響は2万4500人に及んだ。
 更に、夜にはJR阪和線紀伊−山中渓(やまなかだに)間で和歌山発大阪行きの快速電車がイノシシと衝突して停車。2分後に運転を再開したが、これにより20本の電車に運休や遅れが生じ、約5400人の足に影響した。
2009年9月4日(金)
 イノシシ侵入
 実りの季節はイノシシの活動期でもある。この時期、水田にイノシシが侵入すると被害は甚大となる。イノシシは稲穂を食べるだけでなく倒したり踏みつけたりすることもあり、その結果、機械による刈り取り作業が困難になる場合も出てくる。

●(写真右の上下)は、西田上地区にある水田。一応は周囲をトタン板で囲ってはいるが、僅かな隙間から侵入されてしまった。この辺りでは何度もウリ坊が目撃されていて、ここに侵入したイノシシも小型のようだ。

●(写真左と中)は吉村浩さんが耕作している大工町の貞真寺横にある田だ。ここでは侵入したイノシシが稲穂をかみ砕き、モミを吐き出した跡がコンクリート製のアゼの上、所々に残っていた。
 このアゼは低いためイノシシが乗り越えることは極めて容易なのだが、何故かこのアゼを乗り越えて隣の田に侵入したという形跡は無く、被害はこの低いアゼで囲まれた田にとどまっている。
 イノシシは、当面の食べ物がある限り、少しでも面倒なコトはしない
という面もあるようだ。
2009年9月1日(火)
 捕獲頭数 (美馬市脇町地区)
 美馬市脇町地区内での本年度の有害駆除としてのイノシシ捕獲数は、今日現在62頭だという。この数字は年間151頭を記録した2007年度と比べても1週間ほど早いペースだ。
 これからは今年の夏に生まれたイノシシが捕獲される頻度が多くなる。檻による捕獲は一度に複数のウリ坊が入ることもあり、この場合10月末までの残された2カ月の間に、一気に捕獲頭数が膨らむ可能性もある。
2009年8月31日(月)
 イノシシ捕獲  (美馬市脇町田上地区)
 宇民さんと一緒にイノシシ駆除に取り組んでいる吉村浩さんが見回っているククリ罠に、小型のイノシシが掛かった。現場は西田上で先月2頭同時に捕獲した場所のすぐ側。

 この辺りには他にもまだイノシシがいるようで、近くに仕掛けておいた別の罠ではカラ打ちがあった。イノシシは有害駆除として宇民さんが止め刺しで仕留めた。→→→クリック

 
2009年8月29日(土)
 クサニワトコ (美馬市脇町東田上)
クサニワトコ(ソクズ)
 この植物、正式名はソクズだが、一般的には「クサニワトコ」と言われている。東田上で初めてこの赤い実を見たのは3年くらい前だが、そのときは名前が分からず最近になってやっと判ったのだ。スイカズラ科の植物で生薬としての古い歴史を持つ薬草でもある。
 成長すると背丈のある かなり大型の植物で群落をつくるが、すぐ側に農地があるため小さな白い花をつける前に雑草として早々と刈り取られてしまうことが多く、ここでは赤く色づいた実までは なかなか見ることが出来ない。
 今年は この農地が耕作されていなかったので、二年ぶりに赤い実を見ることが出来た。赤い実の下にある休耕地は、イノシシによって見事に掘り返されている。(写真右)
2009年8月26日(水)
 タヌキ
 宇民家の裏の檻の中に仕掛けておいた罠にタヌキが掛かった。この檻には、昨日、宇民さんが取れたての新米の糠クズを入れたところだった。
 ここでは、昨年の4月には、続けざまに3匹のタヌキが掛かっている。この辺りには、再びイノシシが出始めているようで、掘り返した跡が見られた。
 宇民さんが罠を外してやると、タヌキは桑畑の中を一目散に走り去った。(○印)
2009年8月21日(金)
 稲刈り(美馬市脇町東田上)
 本日、田上地区内で最も早い稲刈りが行われた。刈り取られたのは5月15日に植えられた早生種のハナエチゼン。この田は宇民さんの指導による完全無農薬の有機肥料のみによる稲作だ。そのため田植え後、しばらくしてからはイネミズゾウムシによる害が、そしてその後は稲の雑草としては最強と言われるコナギが大発生した。コナギは繁殖力が強く手動式の除草機では取りきれない。コナギは開花し結実すると何千という大量の種子を散布する。この種子は越冬した後、水底の土中5oくらいの深度に達すると発芽する。そのため、除草機を押したりして攪拌すると、深く埋もれていた新たな種子が上がってきて再び発芽を繰り返すと言う厄介な雑草である。既に生えてしまったものは、手で抜き去るしかないのだが、稲が生長すると除草作業によって稲の根を傷める心配も出てくる。

 無農薬栽培では、稲穂が出てからも、雑草以外にもカメムシ等の被害も多い。この田は完全な自給用の米であるため、それほど問題にならないが、カメムシは米に黒点を生じさせるため、販売用の米の場合には更に被害が大きくなる。乳熟期からはスズメによる食害も目立ってくる。
 それでも、この田はイノシシによる被害がないのが救いだ。田上地区にある水田の多くは人家近くであってもイノシシ除けのトタン板などを設けているが、ここはイノシシ対策の要らない数少ない田なのである。

   
  (写真左から  昔ながらの天日干しによる乾燥、 稲の株間で成長したコナギ、 スズメによる食害跡、 稲の代表的害虫カメムシの1種)
2009年8月13日(木)
 完全防御 (美馬市脇町西田上地区)
 写真は西田上地区内の岩倉城址近くにある水田。すぐ側を四国縦貫道が通っている。少し前にイノシシに侵入されたようで、その跡が残っている。周囲をトタン板で囲ったうえ、更に全面を防鳥ネットで覆っている。

 敵はイノシシばかりではない。この時期、イノシシはもちろん、スズメも成熟の早い早生種をまず先に狙ってやってくるのだ。
 イノシシと違ってスズメは一羽あたりの食べる量はそれほど多くはなく、更に実りの季節以外には、害虫なども食べてくれている。 とはいうものの、集団でやって来て目の前で一斉に食べられると農家の人にとってみれば気分のイイものではない。
2009年8月4日(火)
 真夏の山歩き
 午後2時過ぎから横井出用水路から黒北方面へ出かけた。四国地方も既に梅雨は明けているとはいうものの異常に蒸し暑い。僅か10分くらい歩いただけで体中から汗が流れ落ちてくる。顔の周りには蚊やブヨなどの小さな虫がまとわりつくように飛び回り、防虫ネットに当たってくる。
 横井出の山道脇の斜面にはイノシシが掘り起こした跡が目についた。黒北の廃家電跡地も年月の経過と共に次第に草木が濃くなっているようで、いずれは林になってしまうのかもしれないが、まぁ、それも悪くはない。
2009年7月31日(金)
 −速報− イノシシ捕獲  (美馬市脇町田上地区)
 今年から、宇民さんのイノシシ捕獲作業を吉村浩さんが手伝っている。(2009年1月7日を参照)
その吉村さんが自ら罠の設置場所を探し出し、宇民さんと共に仕掛けたククリ罠にメスのイノシシが2頭掛かった。
(写真左 本日午前9時30分撮影)
 早速、猟友会会長の藤畠さんに連絡し有害駆除として射殺してもらった。藤畠さんによると、本年度の美馬市脇町地区でのイノシシの有害捕獲数はこの2頭を含めて、ちょうど40頭になると言う。昨年の同時期における捕獲数は17頭であったので、昨年よりもかなり多く、偶然だが一昨年(2007年)の同時期の数と一致している。ちなみに この年の捕獲数は最終的に151頭にまで達している。 
(捕獲記録写真は後日公開します) UPしました→→→クリック
2009年7月30日(木)
 キーワードは 《 美少女 》
 【美少女図鑑】と言うフリーペーパーが大変な人気になっている。新潟のデザイン会社が企画しはじめたもので、一応、モデルには一般人を起用ということになっているらしい。今では各県でそれぞれご当地版のモノが出版されはじめたりもしている。フリーペーパーなので原則的には無料なのだが、インターネットオークションにも出品されたりしてなんだか一部マニアのコレクションアイテム化しつつあるようにも思える。こちらは現実の人間が対象なのだが、さらに人気なのは美少女アニメ関連だ。

 徳島県では徳島市観光協会が今年の阿波踊りのポスターに徳島市内にスタジオを構えたアニメ制作会社(ユーフォーテーブル)に依頼して制作したモノが、盗難されたりネットオークションで高値で落札されるほどの人気だ。これはその劇場版アニメ自体の人気に負うところも大きいのだが、それとは別に純然たる美少女イラストを農産物のパッケージに採用し売り上げを拡大しているところがある。

 秋田県にあるJAうご(うご農業組合)ではJAうご産の米、あきたこまちのパッケージに人気イラストレーター西又 葵氏の作品を使用し販売量を伸ばしている。これが好調ということで地元産の黒毛和牛を使用したカレーのパッケージにも使われ、更に今度は地元産のスイカのパッケージにも個数限定で美少女イラストをプリントしたものが登場した。いずれの商品にもアニメファンが喜びそうな ちょっとしたオマケが用意されていて、購入者の中にはパッケージが目的で購入するという層がかなりいると思われる。
 JAうごでは、これに味を占めたのか どうかはともかく、現在はまだ3点のみだが 
JAうご美少女パッケージ商品 という商品カテゴリーが設けられた。こういった商品は描かれた絵の質が非常に重要で、西又 葵という作家を選んだことが成功の全てだろう。

 しかし見方を変えれば、こういった商品の購買スタイルというものは、中身よりオマケが欲しく買ってしまうお菓子のような危うさを孕んでいるようにも思えてくる。売り上げが伸びると言うことは、額に汗して育て上げた生産者にとってみれば嬉しいことではある反面、所詮は中身(品質)より顔(パッケージ)かよ!というような一抹の虚しさを覚える人も中にはいるかもしれない。
2009年7月29日(水)
 もう一つの防衛策
 7月28日の午後、長崎県佐世保市で突然、道路上へ飛び出してきたイノシシと郵便局員の乗ったバイクが接触し転倒、道路下の畑に転落した局員が軽傷を負うという事故が発生した。佐世保市ではイノシシが絡むバイクの事故がこの10ヶ月間に2件起きているという。
 田上地区内でも、何年か前にバイクで夜間に帰宅途中、山道で突如飛び出してきたイノシシがバイクに衝突するという事故があった。幸いにも このときは大事には至らなかったが、バイクは車と違って無防備であるため一旦事故が起こると負傷する危険性が高い。
 これは一般的なことだが、走行中に見通しが悪い場所などでは常に 子供などの飛び出しがある かもしれない と前もって予測しながら運転することが事故を減らすためには有効だと言われている。これからは山道などを走行するときにはイノシシの飛び出しをも念頭に置いた運転をしなければならない時期に来ているのかもしれない。

 まぁ、そうは言っても実際には難しいとは思うが、前もってイノシシなどの飛び出しを念頭に置いて走るのと、そうでない場合とではイザという時の対応に、何分の1秒かの差が出ることが予想され、これが事故回避やダメージの軽減につながる可能性は十分にある。
2009年7月26日(日)
 TV番組情報(美馬市脇町関連)

 先々週(7月13日)放送の前編に続いて、美馬市脇町で収録されたNHK総合の「鶴瓶の家族に乾杯」(PM8〜8:45)の後編が明日の夜(7月27日)に放送されます。
 市内在住者は市の広報などで既に知っていると思いますが、このサイトを見てくださっている他府県の方々も是非ご覧下さい。イノシシ駆除レポート田上情報の発信地である田上地区は美馬市脇町にあります。


2009年7月24日(金)
 地道な活動
 写真は東田上地区内にある農地である。嘗ては水田として稲作も行われていた。これらは、いずれも持ち主が高齢化などで耕作できなくなっている耕作放棄地の予備軍である。農地は一度荒らしてしまうと元に戻すのには大きな労力を要する。田上地区内にも既に耕作放棄地は拡がっている。このまま一切、手を加えず放置すると、あっという間に草木が生い茂りイノシシなどの好む環境になってしまう。
 地区内に これ以上耕作放棄地を増やさないようにと、吉村さんが時々トラクターで耕起し、さらなる荒廃化をくい止めているものの、一部を除いては、まだ具体的な耕作農地としては利用されていない。
2009年7月16日(木)
 −速報− イノシシ捕獲  (美馬市脇町東田上地区)
 今朝、宇民さんのククリ罠に若いオスのイノシシが掛かった。体はそれほど大きくはないがよく肥えていて33Kgあった。真竹のタケノコを食べに来ていたようだ。

  捕獲記録写真は、後日公開します。 7/18 UPしました
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2009年7月12日(日)
 ガックン たまには米を食え!! 

 ガックンGACKT)といえば、以前からストイックに体を鍛えていることで知られている。その彼が先日放送された日本テレビ系のバラエティー番組(しゃべくり007)に登場した。そこで、相変わらず驚異的な身体能力を披露したうえで、食事では炭水化物(米など)を摂取しない主義であると言っていた。それでは、カロリーを何で摂っているのだろう?なんてことはひとまず置いておく。

 日本では、昭和60年頃をピークに長期間にわたって米の価格が下落基調である。背景には日本人の食生活の変化があると言われ、主食としての米の消費量が減少しているためとも言われている。
 ここで、ガックンだがカリスマ性があるだけに特に若者に対しての影響力は大きい。ここはひとつ、なんとしてもガックンにガツガツと米を食ってもらい、その影響力で米価下落に歯止めをかけ、引いては食料自給率の向上にも貢献してもらいたいものだww。
 まぁ、余計なお世話かww。       
※写真左は【しゃべくり007】で 「オラ米食わねェだ」と言うガックンww

2009年7月11日(土)
 アクセス解析
 当サイトは、4年前に猫関連のサイトとしてスタートしたのだが、現在ではイノシシ関連がメインになってきている。
個人的には、イノシシのみに偏らずあくまで興味本位に広範囲に展開していきたいと思ってはいるのだが、アクセス数ではサイト全体の総ページビューの6割以上をイノシシ関連のコンテンツが占めている。イノシシ関連のページへの曜日別アクセス数では、ウイークデイのアクセス数が圧倒的に多く、週末には減少する傾向にある。猫関連のページにはこの傾向は現れない。このことは、イノシシ駆除レポートやイノシシ情報は、職場など家庭外で多く見られているということを示している。全国の市町村(自治体)からと思われるアクセスも少なくない。

 さて、ここからは余談だが、先日、勤務時間中にアダルトサイトに接続し、長時間わいせつ画像を閲覧したということで2人の徳島県職員が処分された。2人ともに50代の管理職だそうだ。この世代は、パソコンやインターネットなどに関する知識が乏しい人も多い。特に公務員の管理職等になるとパソコンを必要とする作業は若い部下が行うことが多くなったりする。そのため、積極的に勉強する人とそうでない人との間には、パソコンに関するスキルに大きな個人差が出てくる。

 最近では、官公庁やある程度の規模以上の民間企業等では、システム管理部門などを設置している。したがって、職員や社員のアクセスログは残されているワケで、《知らぬはオジサンばかりなり》、という状態になってしまっている。よくインターネットは匿名性が強い等と言われることから、職場から安易にアダルトサイトを閲覧したり掲示板に無責任な書き込みをする例があるが、これは危険である。

 まァ、このサイトは、職場からアクセスしても何ら問題のないモノなので、これまでどおり、どんどんアクセスしてください。と言うお話ですwww。

イノシシ関連ページへの都道府県別のアクセス比率(直近1ヶ月)
@徳島  15.66%
  大阪    6.68%
  東京    5.50%
  愛知    4.47%
  兵庫    4.12%
  広島    3.49%
  鹿児島 3.44%
  愛媛    2.90%
  長崎    2.90%
  香川    2.85%
 千葉   2.85%
 神奈川 2.75%
 山口    2.70%
 京都    2.60%
 島根    2.55%
 福岡    2.26%
 長野    2.16%
 岡山    2.11%
 静岡    1.96%
 熊本    1.82%  
 宮崎   1.52%
 鳥取    1.47%
 新潟    1.42%
 和歌山 1.37%
 大分    1.33%
 福島    1.28%
 奈良    1.13%
 岐阜    1.03%
 栃木    1.03%
 三重    0.93%  
 福井    0.79%
 群馬    0.79%
 滋賀    0.74%
 高知    0.74%
 宮城    0.69%
 富山    0.64%
 佐賀    0.64%
 茨城    0.59%
 北海道 0.54%
 埼玉    0.49%
 山梨    0.39%
 石川    0.39%
 沖縄    0.29%
 岩手    0.25%
 山形    0.20%
 秋田    0.05%  
 不明または海外
 (アメリカ)
  からのアクセス
             3.53%
2009年7月7日(火)
 幸運を招くイノシシ

 このブロンズのイノシシ像、イタリアフィレンツェの街角にあるそうです。幸運を招くイノシシだということらしく、御利益にあやかろうと多くの人々が撫でているんだそうです。

 「そうは言ってもイタリアは遠いなァ」と言う人には、こちらがオススメ。なんとこのイノシシ像のレプリカが日本にあるらしいのだ。場所は中央区日本橋久松町4−4ピジョンビルの前あたり。
 まぁ、どちらも私自身が実際に見たワケではないのであまり確実な情報ではないのだが・・・。いずれにしても地方に住む人にとっては、東京だって遠いことに かわりないんだけどネ。
       
※イノシシ像の画像元はこちらのサイト→→→クリック

2009年7月5日(日)
 横井出
 久しぶりに横井出の山道を歩いた。一昨日、宇民さんがイノシシを捕らえた罠はこの道沿いに仕掛けてあったものだ。真竹のタケノコを食べた跡がハッキリと残っており、まだ何頭かのイノシシがいるようだ。
 およそ、2ヶ月ぶりに山へ入ったのだが、それほど時間が経たないうちに小雨が降り出したため早々と引き揚げた。
2009年7月3日(金)
 −速報− イノシシ捕獲  (美馬市脇町東田上地区)
 今朝、宇民さんの罠に中型のイノシシが掛かった。罠のワイヤーが周辺の木々に絡みついてイノシシは全く動けない状態になっていたため、宇民さんが そのまま止め刺しで仕留めた。

 回収したイノシシを宇民家まで運んだ時、ちょうど居合わせた郵便サンの話によると、先日、徳島自動車道の脇町インター付近でイノシシと車がぶつかるという事故があったそうだ。で、そのイノシシ、「ごっつぁんです」と誰かが持って行ったらしいwww。

    
 ※捕獲記録写真は後日公開します。 7/4UPしました→→→クリック
2009年6月29日(月)
 イノ・シカ・チョウ
 相変わらず、各地でイノシシシカなどによる被害が出ている。

 山口県周南市の天神山公園のササユリの球根がイノシシによって食い荒らされ、花の数が激減しているという。一方、兵庫県但馬南部の山ではシカが草を大量に食べ尽くすことにより、幼虫時に これを食草とするチョウの種類、数共に激減しているという。これは日本鱗翅(りんし)学会員による調査によって明らかになったようだ。
 獣害は農作物など、ともすれば経済的損失ばかりに目を奪われがちだが、影響は それだけに留まらず、もっと広範囲に及んでいるという例のひとつだろう。あらゆる生物は増えすぎると生態系に悪影響を及ぼすと言うことだ。尤も、その最たるものが人類なのだが・・・

 ところで先日、久々に こんなモノを見た。
英語名が《 Great purple emperor 》だそうで、なんだかカッコイイ名前ですwww→→→クリック
2009年6月18日(木)
 罪状
 神奈川県南足柄市で、6月17日の朝、民家の庭にイノシシが現れた。通報を受けた内山自治会長(67)と松田署北足柄駐在所の巡査長(57)の二人が民家の庭の様子をうかがっていると、突然、イノシシが突進して自治会長は転倒、巡査長は警棒で応戦したが、二人とも右足にイノシシの牙がかすり軽傷を負ったと言う。イノシシはそのまま逃走し猟友会が駆除に乗り出すことになるようだ。
 で、このイノシシの罪状は不法侵入と傷害および公務執行妨害ということになるんだろうかwww
2009年6月9日(火)
 −速報− イノシシ捕獲 (美馬市脇町東田上地区)
 昨日に続いて、今朝、再び宇民さんの罠にメスのイノシシが掛かった。昨日のイノシシより少し小さめで25Kgだった。今回は東田上の横井出用水路沿いに仕掛けておいたククリ罠による捕獲である。猟友会会長の藤畠さんに射殺してもらった。
 藤畠さんの話によると今年の脇町地区のイノシシの有害捕獲数は、これで15頭目になるらしい。イノシシの数は減少傾向にあるようだ。

   (捕獲写真は後日公開します) 6/10 UPしました ※(2ページ有り)→→→クリック
2009年6月8日(月)
 −速報− イノシシ捕獲 (美馬市脇町東田上地区)
 今朝、宇民家のすぐ裏の桑畑に設置している檻に久しぶりにオスのイノシシが入った。ワイヤーでの固定に少し手こずったが、止め刺しで仕留めた後で計量してみると、当初の予想より重く40Kg程あった。これが宇民さんの本年度のイノシシ有害捕獲の第1号になる。

     (捕獲写真は後日公開します。) 6/9UPしました
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2009年6月7日(日)
 米俵(こめだわら)
 三重県尾鷲市九鬼町で今月3日、新聞配達員がイノシシに体当たりされ、その弾みで転倒し手首を骨折するという事件が発生した。被害にあったのは、35年間新聞配達を行っているという田崎真優さん(69歳)。田崎さんは、「イノシシは米俵くらいの大きさだった」と言っているので、小型のイノシシであったようで、不幸中の幸いだったかもしれない。
 それにしても《米俵くらいの大きさ》という表現に、なんだか妙に可笑しさを感じてしまうのは私だけか?。
2009年6月5日(金)
 穿った見方
 あまり良いイメージでは無いが、杓子定規という言葉がある。特に、どこかで明確に線引きを求められる法律には、善し悪しは別として、確かに そういう面が存在する。これに対してこういう意見もある。

 滋賀県のびわ湖放送で、今年1月に放送された「ときめき滋賀’S」という番組中に観光情報として、シシ鍋を紹介する場面があり、そこでタレントの原田信郎さんが猟師から弾の入っていない猟銃を僅か6秒間だけだが手にとってみた場面が放映されたのだという。これが銃刀法違反だと指摘されているらしいが、実際には触れてみたというレベルであり、これが銃砲刀剣類所持等取締法の所持に該当するかどうかの判断は法律の専門家でも分かれるだろう。結局、県警側はこれを違法とし送検するということになったらしい。これには、それぞれの法律の解釈による判断である以上、あえて異論を挟む余地はない。

 しかし、問題はここからだ。報道によると、この件に対し滋賀県警は、びわ湖放送の本社を銃刀法違反容疑で家宅捜索していたのだという。これが事実だとすれば驚きだ。いったい放送局を家宅捜索して何を押収したかったのだろうか?この裏には銃刀法違反は単なる口実で、本音は、放送局(言論)に対するけん制を目論む意図が見え隠れしているようにも見える。それとも、県警の不祥事などの過去の報道に対して恨みでも持っていたのかと勘ぐりたくもなるような行動だ。

 個人的には、今回の、問題に対しては「厳重注意」、それでダメなら事務的な書類送検が妥当であり、放送局の家宅捜索まで行うのは明らかに不自然に映る。いったい滋賀県警というところは それほど暇なのだろうか?。さらに言えば、滋賀県警には、以前から言論の自由を封殺しようとするような勢力が内在しているようで、その点でも問題は多い。

 まぁ、警察に限らず、組織は人の集まりであり、どんな組織の中にも悪人はいる。ただ、国家権力の中にいる悪人はタチが悪いから困るのだ。 地域密着型のローカル局では困難かもしれないが、びわ湖放送は、今回の件で萎縮せずに、今後必ず起こってくる県警の不祥事に対して鋭い報道の矛先をむけるような方向に向かって欲しい。
2009年5月21日(木)
 小満 
 今日から二十四節気の一つ、小満。  (写真の水田はちょうど一週間に田植えを済ませたばかり。)

(写真左上の花は庭石菖(ニワゼキショウ)、1p位の小さな花だが、アヤメ科の植物で北米原産。田上地区でも普通に見られる。田上地区では写真のような白色系統が多いように思う。この花には白色とは別に紫系のものもあって、吉野川や穴吹川の河川敷では何度も目にしたことがある。

(写真左下の黄色い花はマメ科のミヤコグサ、田上地区でも普通に見られ、群生している場所もある。マメ科らしいユニークな花の形から、別名(烏帽子草)と言うこの花の花言葉は意外にも《復讐》である。

(写真右上の花は、ハルタデだと思うが、違っている可能性もある)
2009年5月11日(月)
 キジさん登場 
 午後3時頃、ふと何か動いたような気がして、田を見るとオスのキジが歩いていた。
 急いでカメラを取り出して数カット撮影した。距離はおよそ25〜30メートル。
 田植えを目前に控えた田の中を悠々と歩いて縦断し、岸を上り、少し高くなった場所で周りをキョロキョロと見回した後、どこかへ消え去ってしまった。
 田上地区でもキジの鳴き声は時々耳にするし姿を目にすることもある。しかし、たいていは かなり離れた距離からの目撃である。
 場所にもより一概には言えないが、多くの場合、キジは都市部の河川敷や都市近郊のほうが田舎よりも、かなり近くで目にすることが出来る。田舎に比べて都市部では殆どが禁猟区であることが理由であろう。
 (APS-Cデジタル 200ミリレンズで撮影後、更にトリミング
2009年5月9日(土)
 攻防戦
 イノシシから農作物を守るためには、イノシシ駆除(攻撃)が最も有効ではあるが、それと共に田畑に侵入されないようにすること(防御)も重要である。
 宇民さんのこの畑では毎年、サツマイモがつくられている。畑に隣接して水田もあり、ここでは もうすぐ田植えも行われる。毎年、この時期には杭を打ち込みトタン板を張っている。見たところ高さはそれほどでもないが、よほど大きいイノシシでない限り効果はあるという。    
(撮影2009-5-8)
2009年5月8日(金)
 正面突破
 東田上東部の市道、脇町185号線沿いにある麦畑である。この付近には毎年イノシシが出没し、昨年も被害を受けている。そこで、今年は畑の背後に拡がる茂みと正面の入り口にイノシシ除けとしてナイロン製のネットが張られていたのだが、見事に穴を開けられている。  (撮影、本日 午前11時過ぎ)

 この畑、昨年は全くイノシシ対策が行なわれていなかったためにイノシシに踏み荒らされた麦が、まるで出来の悪いミステリーサークルのような状態になっていた。→→→クリック
2009年5月7日(木)
 マルカメムシ
 写真の虫はマルカメムシ。小さな虫だが、よく見ると体にツヤがあって、釉薬のかかった焼き物のような質感をしている。
 マメ科の植物に寄生し、特に葛(クズ)に大量発生する。

 葛は非常に生命力の旺盛な植物で、山地から河原はもちろんのこと、高速道路内の斜面や都会の空き地などでもよく見られる。そのためか、カメムシの中でもこのマルカメムシは都市部でも一番目につきやすい種類である。
 葛は、根のデンプンを葛粉や漢方薬の材料として利用されることもあるが、それも極く一部にとどまっている。イノシシは葛の根を好み、葛の繁茂した場所では、イノシシが掘り返した跡をよく見かける。葛にとってはマルカメムシもイノシシも好ましい存在ではないのだろう。    (写真は葛の茎に集まっているマルカメムシの成虫、サイズは約5ミリ)
2009年5月5日(火)
 《 野猪撲滅報償金 》
 よく知られていることだが、中国では猪というのは豚のことを指す。そんなわけで豚が感染源とされた今回のインフルエンザは中国では《 猪流感 》と呼ばれていた。ところが今回のインフルエンザの拡大に伴って風評被害により豚肉の需要が減少し価格が下落しているという。中国政府はこれに対する危機感からインフルエンザの名称を《 猪流感 》から《 甲型流感 》に変えることによってイメージの回復に務めている。
 このように中国では猪と言えば豚のことである。それに対して本来のイノシシは 《 野猪 》と表現して区別する。

 ところが、おもしろいことに我が国でも《 野猪 》という表現が、大阪府和泉市の古い公文書に残っている。理由はよく分からないが、昭和35年と、半世紀近く前のイノシシ駆除に関する文書で なかなか興味深い。まずタイトルが【野猪撲滅報償金交付規程】とある。このあたりの表現にも時代を感じさせるが、さらに捕獲報償金の額は1頭につき500円とある。この時代の捕獲は今のように罠猟が主流ではなく、射手と勢子によるオーソドックスな猟であったようで、駆除活動に対する報償金交付申請書には銃手と勢子のそれぞれの人数の記入欄が設けられている。

 この駆除活動に対する報償金(日当)は一人200円で、捕獲できなかった場合は半額の100円になるのだという。ちなみに当時の大卒初任給は一万数千円程度であり、当時は週休2日制でなかったことを考慮すると1日600円強ということになる。
 それに対して一日200円の報償金というのは、少し大きめのバナナ3本程度の金額ということになるのだろうか。そんなバナナと思われるかもしれないが、なにしろ当時、バナナはとても高価だったのである。
2009年5月4日(月)
 イノブータン王国
 新型インフルエンザの影響を受け、豚やイノシシを処分するという過剰反応に走っている国があるなか、イノブタレースを楽しんだ国がある。この国、今年で建国24年と、意外?に歴史があるようで、なかなかユニークでおもしろい。

 和歌山県すさみ町にあるこの国の恒例のイベント《イノブタダービー》が、すさみ町のすさみ海水浴場で昨日 開催された。有名人の名前をつけられた6頭の豚が出走し「豚券」が発行されたり、他にも色々な催し物や特産品販売なども行われた。

 で、こちらの最後には、
(会場内での私設予想屋の予想につきましては、主催者は一切関知いたしませんので、ご了承ください。)という、おことわりの記載があったりして全てにおいて主催者の遊び心があふれている。
2009年5月3日(日)
 赤い新緑

 あと2日で立夏ともなると、もはや新緑と言うには少し遅すぎるような気もするんだが・・・

 それは ともかく、写真左の2枚はアカメガシワである。本州以南に分布するトウダイグサ科の樹木で、田上地区でも普通によく見られる。この木は新芽が赤色をしており、他の植物の緑色とのコントラストで更に鮮やかに見える。樹皮に薬効があると言うことで、田上地区の山でも採集しているのを見かけることがある。多くは、他地区からやって来て、山の持ち主に無断で、生木から乱暴に樹皮だけ剥ぎ取って持ち去っている。

 このアカメガシワと、名前のうえで よく混同されるのがアカメガシだ。同じように新芽も真っ赤な色をしている。この樹、正しくはカナメモチ(バラ科カナメモチ属)なのだが、別名がアカメモチで、葉が樫(カシ)に似ているとこらからアカメガシと言われるようになり、これがアカメガシワと一字違いであることが混同される原因だろう。 まぁ、これは私個人の推測に過ぎないんだけどねww。

(写真左2枚はアカメガシワ、写真中右は観音堂に植えられているカナメモチ、写真右は観音堂近くの高速道路斜面に植えられているカナメモチとオオカナメモチとの雑種のレッド・ロビン)

2009年5月2日(土)
 受難
 新型インフルエンザの世界的な流行が大きな問題になっている。これをうけてエジプトでは、国内で飼育されている20万頭の豚の殺処分が検討されていて既に実施され始めているという情報もある。しかし、この背景にはエジプトでは豚を不浄の動物だとするイスラム教徒が多いという事情もあるのではないかという指摘もある。 また、イラクではバクダットの動物園で飼われているイノシシを処分することになったと言う。

 ところで、本県(徳島県)にある《あすたむらんど徳島》の「ふれあい動物園」ではミニブタの展示を中止してその代わりとしてイノシシの子供を放したと新聞で報じられていた。
 しかし、豚はイノシシを家畜化し品種化したもので、両者は自然交配も可能で、生物学的には殆ど差は無いのだ。当然、病気に関しても共通するものが多い。
 そう考えると ミニブタの代わりがイノシシでは、全く意味ないんでないか〜い ! 」 と髭男爵スタイルのツッコミを入れたくなってしまう。
2009年4月29日(水)
 げんこつ山
 午後から、わらび採りに出かけた。場所は東田上の横井出用水路沿いの山。時期的には少し遅く、陽当たりの良い場所ではわらびは早く生えるため、ここでは既に伸びてしまったものが多い。既に何度も人が入っているようでわらびを折った跡が目立つ。

 この山の斜面には以前からイノシシが行き来した獣道がある。道の所々にはイノシシが掘った窪みもある。茂った草の中に見え隠れする獣道に沿って登ってゆくと少し開けた場所にたどり着く。

 緩やかな斜面を覆う緑の間からニョキニョキと伸びたわらびを眺めていると、なんだかその姿が小さなげんこつ(拳骨)に見えてくる。
2009年4月28日(火)
 ウサギ追いし・・・
 嘗ては、野ウサギは比較的簡単に目にすることができた。反対にイノシシはハンターでも滅多に見ることが出来なかった。近年のイノシシの増加が野ウサギの減少の要因の一つであることは確かだろう。 
 ところで、些細なことだが、「ウサギ追いし」は、私のPCでは、かな漢字変換すると「ウサギ美味し」となってしまう。田上地区でも、今のようにイノシシが多くなかった頃には、ハンターの狙う代表的な獲物は野ウサギであったし、私自身も何度か食べたことはあるのだが、あまりに古い記憶なので美味だったかどうかまでは残念ながら覚えていないのだ。→→→クリック
 
2009年4月23日(木)
 ありふれた景色 −白い集団−
 曽江谷川河口付近である。この春は雨量が少なく、 行く手を阻んでいた小さな流れが いつもより浅くなり、その先に拡がる吉野川の河川敷から水際まで楽に歩いて行くことが出来るようになっている。途中、木々の根元付近が大きく掘られていたがイノシシによるものか人為的なものかはよく分からない。川辺の土には砂が多く混じっていて柔らかくて崩れやすく足跡などがハッキリと残りにくいのだ。
 堤防から河川敷内、そして水辺へと続く道を歩いていると小さな虫が顔の周りをまとわりつくように飛び回る。道添いの草むらの中に大きなビニール袋が棄てられていて異臭を放っていた。袋からは半分くらいはみ出した状態の白い犬の死体がのぞいている。既に大部分は他の動物に食われてしまったようで、露出したあばら骨の暗い隙間に見える腐汁の底には乳白色をした蛆(ウジ)の集団が波打つように蠢いていた。

                   (写真の花は左から ハハコグサ、オランダガラシ、クサノオウ)
2009年4月21日(火)
 有害駆除データ
 美馬市脇町地区の2008年度のイノシシ有害駆除の詳細データをまとめました。総捕獲数は48頭で、昨年より大幅に減少している。これが、報奨金の額などによる捕獲者の士気低下によるものなのか、それともイノシシの減少によるものかは、本年度の実績などが出そろう来春になってみないと判断は出来ない。
2009年4月18日(土)
 ふりむけば春
 【ふりむけば春】 そう言えば、昔そんなタイトルのマイナーな写真集があった。まぁ、どういうわけか中身はタイトルとは全く関係なかったりするわけだがww。
 午前9時半頃、自宅を出て横井出の山道沿いに黒北方面へ出かけた。昨年までは、この季節には頻繁に山へ入っていたのだが、今年の春はこれまで全く山へは出かけておらず、今日が初めてだ。昨日とは違い、空気が澄んでいて山々を覆う新緑が鮮やかで心地よい。
 イノシシの気配は無いが、山道に積もった枯れ葉を鼻先で動かしながら歩いたような跡が所々で見られた。しかし、以前のように大規模に掘り返したような跡は見かけない。それでも廃家電跡地の水場では真新しい足跡があった。

                  
(写真は黒北で撮影、 花は 藤、シャガ、ハナミズキ、ケキツネノボタン、シュンラン 
2009年4月16日(木)
 机上の空論
 今、先進国の中で我が国のカロリーベースでの食料自給率の低さが際だっている。
 カロリーベースでの算出であるということに対する異論もあるようだが、いずれにせよ食料というものが有事における最大の戦略物資となりうることを冷静に考えれば、この男のように呑気に外国からの輸入に依存し続けることが危険であることは明らかなのだ。
 そのことに少しは気づき始めた。というより、長い間見て見ぬふりを決め込んでいたのが それも通用しなくなってきたというのが実際のところだろう。そういうこともあってか最近やたらと《耕作放棄地》というものが注目されている。 

 ところで、上の写真の撮影場所は東田上東部の市道、脇町185号線の道路沿いだが、只の竹藪ではない。よく見ると地面が平らになっているのが分かると思う。実は水田跡地なのである。今では竹林となってしまっているが、ここに棚田があったのだ。嘗ては、ここでも稲作が行われていたわけで、これも耕作放棄地と言えるだろう。

 国や自治体は耕作放棄地の増加が地方の荒廃につながるとし、これをくい止め、さらにこれを再生し有効利用することが食糧自給率の向上にもつながると考えているようだ。そして耕作放棄地を増やす最大の要因が農家の後継者不足や高齢化だと考えているようにみえる。
 しかし、これは全く的はずれとまでは言えないものの少しピントがずれていると思えてならない。後継者不足と高齢化とが あたかも別物のように言うこと自体おかしいのだ。この二つは根底で繋がっていて、実際は同じものなのだ。なぜ後継者が不足するのか考えてみて欲しい。答えは簡単である。耕作放棄されるような主として中山間部の農地は平野部と違って効率的な営農が困難で採算がとれないからである。その結果として若い世代の後継者がいなくなれば当然、地域の高齢化は進行する。そして更に耕作放棄地は増え、それがイノシシなどの生息地の拡大に繋がり、獣害の拡大は生産意欲を減退させ更に耕作放棄を生むという悪循環におちいっているのが現実なのだ。

 現在、農業で収益を確保するためには、農地の集約化や規模拡大によって効率を上げるか、高付加価値のある農産物を作るか または加工して販売するという方法が考えられる。しかし、山間部に点在する細切れの狭小地は集約化による効率化などは全く不可能に近い。一般的な農業では稲作が最も機械化されているわけで、農地の集約化や規模拡大が出来なければ高額な農業機械を購入しても元が採れないということになる。、このことは稲作が成り立たないということを意味する。

 結局、問題なのは、今しきりに耕作放棄地の解消を謳っている農水省をはじめとした中央省庁はもちろんのこと、地方公務員の年収でも平均で600〜700万円あるのに対して、高額な機械を購入して農業を営んでいても経費を差し引いた実収入が、ほとんど彼らの半分にも満たない農家が多いのも事実なのだ。当然、退職金も無い。先の役人たちもこういった実状をふまえた上で、現在の地位を捨てて中山間地域へ入り営農しろなどと言われても退官後の一部の粋狂モノ以外は誰も応じるまい。

 つまりは、自分自身に置き換えてみると バカらしくてやってられないと思うようなことを他人に勧めると言うこと自体が傲慢であり、今の政策としての【耕作放棄地の再生】などは所詮、机上の空論の域を出ないのだ。
2009年4月12日(日)
 執念
 西田上の真楽寺の裏山斜面に造られた畑である。傾斜が緩やかなためか山肌に開墾された畑としてはかなり広い。何年か前に、この畑で蕎麦が栽培されていたのを見たことがある。当時からイノシシ除けの囲いはあったが、低くて簡単なものだったような気がする。
 ここへ来るのは久しぶりだが、畑を取り囲む防御柵は以前にも増して高く頑丈になっている。トタン板や鉄製フェンスなどの廃材を利用し組み合わされた無骨な柵を眺めていると、なんとしてもイノシシの侵入をくい止めようとする畑の持ち主の執念のようなものが伝わってくる。
2009年4月2日(木)
 イノシシの古巣(美馬市脇町東田上〜新山)
 ススキの枯れ葉がドーム状に集められていて2カ所の出入り口らしき穴が開いている。典型的なイノシシの古巣のようだ。場所は東田上(新山)の市道、脇町185号線沿いの草むらで、背後には四国縦貫道が通っている。巣からは僅か10メートル位しか離れていない。車の走行音も頻繁に聞こえてくるが、都市部と違って通行量はそう多くはない。
 ここは日当たりも良く、人もほとんど入ってこないうえ、すぐ側には谷もあってイノシシにとっては好条件なのだろう。

              (写真左 巣の近くにあるイノシシの通り道、写真右上 イタドリ、写真右下 巣の背後)
2009年3月31日(火)
 イノシシ肉
 花見シーズン真っただ中ということで、田上地区でも先日、恒例の花見会が開かれた。

 写真は、ハンターの新田さんが田上地区内で仕留めたイノシシ肉。薄くスライスしたものに塩胡椒をまぶして炭火で焼いただけの単純な料理だがこれがビールによく合う。イノシシ特有の臭みも全くなく、おすすめの一品だ。
2009年3月15日(日)
 イノシシ捕獲(左尾地区)
 今日、午前10時頃、筒井さんの罠にイノシシが掛かり、宇民さんが捕獲作業の手伝いに行くというので同行した。
 場所は脇町左尾地区、5日前に捕獲した場所より更に進んだ山道沿いの林の中。

   
(捕獲記録写真は後日公開します) UPしました→→→
2009年3月15日(日)
 現代版シシ垣
 「シシ垣」というものがある。古くから日本の山間部の農村では獣害、とりわけイノシシによる被害に頭を悩ませてきた。イノシシは土の斜面などは平気だが垂直な段差には意外と弱い。そこで人々は多大な労力をつぎ込んで土や石を積み重ねて田畑の周りに防御用の塀をつくった。西日本各地には今でもその痕跡をとどめた石積みが残っている。 時代は変わっても、イノシシを物理的に遮断するという方法そのものは それほど変わってはいない。ただ、使用する材料が変わっただけである。


 広島県呉市安浦町大字女子畑地区の116戸が加盟する集落協定組合で住民たちが自ら地区内の農地を囲む総延長12キロに及ぶイノシシ防護柵を張り巡らせた。
 費用の1600万円は国や県からの交付金「中山間地域等直接支払制度」を活用し、組合員、自ら昨年の秋から先月中旬までの農閑期の間に田んぼや池、山から道路に至る場所にワイヤーメッシュを張った。


 女子畑とは(おなご)と読むらしい。余談になるが同じ地名は大分県にもあって大分県日田市天瀬町女子畑、 こちらは濁らずに(おなご)と読むんだそうで、それでは、どこかに「男子畑」という地名もあるんじゃないか?と思ったのだが、残念ながら これは無いようですww。
2009年3月14日(土)
 野生のパワー
 昨夜から今朝まで全国的に大荒れの天候だった。田上地区でも、昼前から なんとか雨はやんだものの、風は依然として強く、山へ出かけるのは少しためらうような日だった。

 それでも筒井さんはイノシシ猟期が明日までであるということもあって、泉の奥方面に仕掛けておいた罠を引き上げるために午後から山へ入ったそうだ。そして回収したククリ罠の中に写真のようなイノシシの足の先端部が付いたままのものがあったと言う。
 筒井さんの代わりに宇民さん、吉村さんらと罠を見回りに出かけたのが3月7日であるから、今日でちょうど1週間になる。運悪く、その間にイノシシが掛かり自ら足の先端を引きちぎって逃走してしまったようだ。切断箇所がワイヤーに縛られた部分と一致しないことから、自ら足をかみ切った可能性もある。
2009年3月12日(木)
 崖の上の ・・・・
 少し前に、宇民さんと吉村さんが田上地区内に仕掛けたククリ罠の設置場所のひとつである。
 木々の間から見えるのは新町地区の集落。すぐ先は斜面が崩落して崖になっている。この崖の上を一本のきれいな獣道が続いている。周辺にイノシシの形跡はあるのだが、道筋の感じから、この道の通行のメインはタヌキであるかもしれない。

 写真の○印はこの道の上に仕掛けられた場所のひとつで、ちょうど崖の上のポイントを示している。
2009年3月10日(火)
 イノシシ捕獲
 午後1時過ぎ、猟師の筒井さんからイノシシが罠に掛かったと連絡が入った。場所は、美馬市脇町佐尾地区
 筒井さんは、まだ治りきらない足で、罠を回収するため、たまたま銃を持たずに行ったところ、かなり大きめのイノシシが掛かっていたという。時間が経つとワイヤーが切れる可能性もあり、猟友会会長の藤畠さんに射殺してもらうことになった。
  
(記録写真は後日公開します)  UPしました→→→
2009年3月7日(土)
 筒井さんのククリ罠
 一週間前に猟師の筒井さんが足を強打してしばらくの間、山へ入ることが出来なくなった。そのため、新山地区の通称(泉の奥)周辺に筒井さんが仕掛けたままになっているククリ罠の見回りをすることになり、前もって筒井さんに描いてもらった地図を片手に、3日前(3/5)に宇民さんと一緒に山へ入ったのだが、他人が設置した罠の場所を見つけるのは簡単ではなく、総数10カ所の内、その日は僅か2カ所しか発見出来なかった。

 今日、朝8時過ぎから再び宇民さんと見回りに出かけた。今回は吉村浩さんも加わり、3人で注意深く回った結果、半数に当たる5カ所の罠を発見することが出来た。
 罠は押しバネ式が4個と自然木を利用した跳ね上げ式が一つ設置されていた。いずれの罠にも空打ちなどはなくそのままの状態であった。一通り見回りを終えて山を下りた時には、11時を少し廻っていた。
2009年3月4日(水)
 イノシシ捕獲
 宇民さんの知り合いの罠猟師が仕掛けたククリ罠にイノシシが掛かった。
 昼頃、宇民さんに連絡が入り、捕獲作業の手伝いに出かけるというので予定を変更して同行した。場所は田上地区からは かなり離れた山間部の津山地区

  
(捕獲記録写真は後日、公開します)  UPしました→→→
2009年2月28日(土)
 イノシシの通り道
 昨夜の雨は朝にはやんでいた。午前9時を過ぎた頃から、青空が見え始めたので近くの山へ出かけた。山へはよく入るが、重たい望遠レンズと三脚を担いでゆくのは久しぶりだ。気温は日陰でも12度ある。イノシシの気配は無い。時々ノスリが上空をゆったりと旋回する。
 双眼鏡で谷間を隔てた向かいの山を眺めていると、視界にオレンジ色の帽子とジャケットを着た人がススキに被われた山道を下ってゆくのが見えた。猟師の筒井さんのようだ。筒井さんは、この奥の山にいくつかの罠を仕掛けていて、10日前にも1頭捕獲している。イノシシ猟は通常の猟期より延長されているが、それもあと2週間で終了となる。

 11時半頃まで待ったが、結局イノシシの姿を見ることは出来なかった。取り外したレンズをケースに収納し、帰ろうとした時、横の山からイノシシの声が聞こえてきた。再びレンズをセットして5分位待ってはみたが、その後は全く聞こえなかった。ここへ着いてから2時間も経ってないが、いつのまにか空には薄く雲がかかっていて気温は10度まで下がっていた。
 帰り道で、罠の見回りにやってきた宇民さんに出会った。

         
(写真左から  山を下る筒井さん、茂みの所々にあるイノシシの通り道(3カット)、仕掛けた罠を見回る宇民さん)
2009年2月28日(土)
 春嵐のごとく
 2月26日、和歌山県みなべ町谷口にある上南部小学校の近くに体長1メートル位のイノシシが現れ、下校途中の児童の前を駆け抜け、更に近くにある会社の作業場にも入り、中を走り回った。学校は放送で児童の下校を中断させて校内へ入らせたりするなど騒然となった。人々を驚かせた、このお騒がせなイノシシはその後、山へ逃げて行ったと言う。
 で、このニュースのソースは朝日新聞のWebだが、記事の見出しがイイ。

 「 イノシシ、春嵐のごとく 走り去る・・・ 」

 別にキマリがあると言うわけではないと思うが、通常、新聞などの報道記事では、あまり情緒的な見出しは付けない。記事のイメージが甘くなってしまうからだ。当然、記事の見出しは必要以上に固い印象を受けるモノが多くなる。そんな中では、このような見出しは逆に目を引く効果があるように思える。
 しかし、コレも、怪我人などが出なかったからこそ、付けられた見出しであることには違いない。
2009年2月25日(水)
 黒北方面
 朝から曇っていて、さえない天気だが、雨は降りそうにもなかったので、午後、3時過ぎてから横井出の山道沿いに黒北方面へ出かけた。気温は比較的高く、寒くはない。用水路沿いの山道に積もったクヌギの枯れ葉が昨夜の雨のしずくを貯めていて、その上を踏みしめるたびに、靴底の周りから水が滲み出る。
 黒北のスダチ畑の周辺には、久々に真新しいイノシシの糞が見られた。糞は大きなものや小さなものが数カ所に点在していたので、子連れのイノシシが来ているようだ。

           (写真左から、 横井出の山道、 カヤネズミの古巣、 イノシシの糞、 ヤママユの繭)
2009年2月23日(月)
 凶器はイノシシの牙か?
 昨日(22日)の午後1時20分頃、熊本県水俣市長崎の山中にある農園で従業員の男性(62歳)が倒れているのが同僚によって発見された。男性の腰の付近に動物の牙で刺されたような幅3センチ、深さ8センチの外傷があり これが致命傷となったとみられ、搬送先の病院で死亡が確認された。
 男性が作業をしていたのは豚舎の近くで、倒れていたのも同じ場所らしい。さらにこの現場付近には以前からイノシシが出没していたという。
 イノシシは豚と交配することが出来る。ちょうど今の時期は野生イノシシの交尾期であるため、メス豚に惹かれてオスイノシシがやってくることがあるのかもしれない。
2009年2月19日(木)
 宇民さんの米作り
 イノシシ駆除レポートでは、今まで主として宇民さんのイノシシ対策の取り組みを紹介してきた。宇民さんのイノシシ猟のスタンスは、いわゆるレジャーハンターのそれとは一歩距離を置いている。根底には農作物を守るとためという姿勢があるからだ。

 宇民さんは長年、完全無農薬の米作りを実践している。化学肥料も一切使っていない。そんな宇民家の半年にわたる米作りに、まるでストーカーの如く密着し撮影記録したものを
まとめてみました。→→→
2009年2月17日(火)
 イノシシ捕獲
 今日、宇民さんのククリ罠にオスのイノシシが掛かった。宇民さんの捕獲は昨年の10月以来、4ヶ月ぶりになる。場所は、宇民家の裏に設置してある檻のすぐ側の竹林で、ククリ罠による捕獲では、今までで最も近い。
 捕獲作業には、たまたま、近くの畑で仕事をしていた吉村浩さんも加わった。
      
(捕獲記録写真は明日公開します)   UPしました→→→
2009年2月17日(火)
 イノシシ猟師
 昨日の午後、猟師の筒井さんがイノシシを仕留めた。宇民さんに連絡が入り、回収の手伝いに出かけると言うので同行した。

 筒井さんは、見回りにも苦労するような、かなりの山奥にまで罠を仕掛けている。そのため、イノシシが掛かると、宇民さんが回収の手伝いを頼まれることがある。  
(詳細は→→→

   (筒井さんの今猟期の捕獲数は15頭になったという)
2009年2月14日(土)
 イノシシの寝床
 昨日の午後4時頃、宇民さんがイノシシを目撃したという。場所は宇民家から100メートルも離れていない孟宗竹林で、この辺りでは、昨年にも捕獲実績がある。近くにはイノシシの寝床があり、既に罠を2カ所仕掛けている。 その道筋に、更にククリ罠を追加設置するというので同行した。イノシシの通り道の2カ所に糠(ヌカ)を撒いた後で、罠をひとつ設置した。

     (写真右はイノシシの寝床、楕円形の窪みの内側は竹の枯れ葉がぴったりと押しつけられたようになっている。)
2009年2月13日(金)
 季節の味覚
 まだ二月半ばだというのに、田上地区では小さいながらもタケノコが出始めているようで、宇民家の裏山の孟宗竹林では、早くもイノシシが掘り返した跡が見られた。ここのタケノコは、昨年に比べ今年は、ずいぶんと早い。
 イノシシは鋭い嗅覚で、地上に顔を出す直前のタケノコを見つけ掘り返しては、人間様を さしおいて早々と季節の味覚を味わっているようだ。
         
(写真はイノシシがタケノコを食べた跡)
2009年2月12日(木)
 ヒヨドリによる食害
 先月末(1月28日)にヒヨドリ被害について書いたが、ブロッコリー畑の被害は更に進んでいるようで かなり深刻だ。2週間前は主に畑の奥の方が被害に遭っていたのだが、今ではかなり手前の方にまでやって来て葉を食い荒らしている。→→→クリック
2009年2月9日(月)
 拳銃で射殺
 今日、午前8時55分頃、香川県で人を襲い暴れるイノシシを駆けつけた警官が拳銃で射殺した。

 場所は、香川県さぬき市津田町鶴羽の市道沿いの田んぼの中。体長115センチ、体重68キロのイノシシが近所に住む77歳のお年寄りを襲って重傷を負わせた。通報を受け、警官2人が駆けつけイノシシを引き離そうとしたが再び向かってきたため、さぬき署の巡査長が3メートルの距離から拳銃で射殺したのだという。
2009年2月9日(月)
 暴発事故
 大分県で9人グループでイノシシ猟をしていたハンターの銃が暴発し、仲間の猟師(71歳)のかかとに当たり、負傷するという事故が発生した。
 暴発事故が起こったのは、大分県竹田市平田の山中。2月8日午前、イノシシを仕留め、仲間の3人が集まっていたところ、弾を装填したまま地面に置いていた猟銃の引き金を猟犬が踏んでしまったために暴発したらしい。
2009年2月9日(月)
 捕獲許可証ww

 イノシシに限らず、野生動物を勝手に捕まえることは出来ない。学術調査など特別な場合を除いては狩猟免許が必要で、猟期外の有害駆除の場合には別途捕獲許可証も要る。

 もちろん、カッパ(河童)も例外では無いようだ。
写真は、岩手県遠野市内で発行されているカッパ捕獲許可証。カッパを捕まえるためにはこれを所持しなくてはならないのだが、色々と細かな制限があるようで、【カッパ捕獲7カ条】というのがある。
 これによると、どこで捕まえてもOKと言うわけではなく、きちんと捕獲区域が定められていたり無傷で生け捕りにしなければならない、とか、皿の水をこぼさないで捕まえること、とかあるんだが、問題は5条に記載された「
金具を使った道具による捕獲禁止」だ。

 これによって、イノシシのようにククリ罠による捕獲は出来ないらしい。結局、捕獲は素手による外ないようで、キュウリを餌にしておびき寄せ、カッパの背後からそっと忍び寄り、羽交い締めにするのがベストだと思うんだが、捕獲時には くれぐれも水中に引き込まれないように注意が必要だwww.
2009年2月7日(土)
 住宅街に出没
 最近、あまり耳にしなかった【イノシシが住宅街に出没】と言うニュース。

 今月一日、長崎県で56歳の男性が買い物から帰宅したところ、駐車場で背後から1メートル以上あるイノシシに襲われ、噛まれたり牙で突かれたりして入院するほどの重傷を負っていたという。
 場所は佐世保市小佐々町黒石の山に面した住宅街。町内では他の場所でもイノシシが目撃されているらしく、市では猟友会に罠を配布し捕獲に乗り出している。
2009年2月6日(金)
 フィールドサイン
 東田上東部の山の上に八屋敷という場所がある。宇民さんからイノシシの古巣があると聞いたので出かけてみた。宇民さんによると、昨年つくられた巣らしいが、かなり崩れていて残念ながらイノシシの巣の特徴であるドーム状のふくらみは見られなかった。
 この辺りは、桑畑の跡地であり今では野生化した桑の木が広範囲に生い茂っていて、春になると赤黒く熟れた実がカラスやイノシシの格好の餌になっている。桑畑の中の緩い坂道を登り、クヌギ林の尾根道を進んで行くと10分少々で山頂にたどり着く。
 最近では田上地区の人家付近ではあまりイノシシの活動の跡が見られなくなっているが、ここではイノシシの掘り返した跡や体を擦りつけて白くなった木など、イノシシのフィールドサインが今でも数多く目につく。

(写真左上から イノシシの古巣跡 イノシシが体を擦りつけて磨り減った木製電柱 イノシシが体を擦りつけて細くなった松の木 イノシシの子供の糞)
(写真左下から イノシシが泥を擦りつけ白くなった木  クヌギの切り株の水溜まり                             野生化した梅の花)

2009年2月5日(木)
 鳥害色々
 【1月28日(水)】にも書いたように、田上地区の畑ではヒヨドリによる食害が起きているが、沖縄県宮古島では野生化したインドクジャクが増えすぎて野菜の新芽を食べるという食害が深刻化しているという。クジャクは嘗て観賞用として持ち込まれたものが、逃げたり放されたりした結果、野生化し数を増やしていったらしい。言ってみれば、これも各地で問題化しているアライグマや外来魚の問題と同じであり、明らかに人災と言えるだろう。
 市では、一昨年にもクジャクの捕獲を行っているが、本年も、今日(2月5日)から来月末日までに市内全域の山で猟友会に駆除委託し、クジャク50羽とイノシシ5頭の捕獲を目指すという。
2009年2月4日(水)
 立春
 天気予報では快晴になるはずだったが、予想に反して午前中は雲が多く、午後になってから少し空に明るさが見えてきた。一昨日来たばかりだが、午後、再び田上地区の山へ出かけた。横井出の山道は風も無く、レンズケースに取り付けたミニ温度計の目盛りは10度を示している。

 午後2時半頃から4時過ぎまで、いつもの場所でイノシシを待ったが、姿どころか気配すら全く無い。おそらく この近辺から少し奥の方へ移動してしまった可能性がある。先日、宇民さんも 「最近では山を歩いてもイノシシの気配が無い」 と言っていた。

 田上地区のイノシシは猟期に入ると里から奥山の方へ後退する傾向があるようだ。農閑期には里に食べ物が少ないため、あえて危険をおかしてまで人家近くへやって来るメリットがないことも理由のひとつだろう。

            
 ( 写真左から   谷間を旋回するノスリ   山道に落ちていた小鳥の古巣   ゴム茸の仲間か? )
2009年2月4日(水)
 ホネホネ団 暗躍か?

■岐阜県にある「みのかも文化の森・市民ミュージアム」で美濃加茂市立西中1年生11人が理科の松田先生指導のもとに作ったイノシシなどの鳥獣の頭骨標本が2月5日まで展示されている。生徒たちが自らの手で、皮を剥ぎ、肉を取り除くという作業を行った後で漂白、乾燥させて完成させた。
                                      *
■大分県中津市高瀬の山国川学習館で動物の頭骨の標本展示が2月22日まで行われている。豚とイノシシの頭骨の比較展示したコーナーもあるらしい。で、この展示企画の名は 「ホネホネ展」 というそうで、これで「あれ?」と思ったヒトはかなりのマニアック。
                                      *
 活動の一環として《手を血に染め、死体の皮を剥ぎ、肉をそぎ落とす》と言うと、なにやら猟奇的な行為を連想されるが、大阪市立自然史博物館に事務局を構える真面目な れっきとした骨格標本の制作集団?があるそうです。
 この集団、なにわホネホネ団と言うそうで、実にイイ、素晴らしいネーミングですww。
(注・上記のイベントとの関係の有無は不明)

 2008年10月19日現在、(団長1名、副団長1名、顧問1名、団員112名)がいるそうで、入団試験」(タヌキ1匹を一人で皮剥き)をクリアすれば、団に加わることも出来るそうです。晴れて入団を許されると、海岸などに、落ちている死体を拾いに行ったり、皮剥きや骨格標本作成などの作業を行なうことが出来ると言う特典付き。

 詳しく知りたい向きは、【なにわホネホネ団、公式に近い非公式サイト】と言うHPが参考になる。もっとも、こちら【なにわホネホネ団 その11】の方が写真など載っていて分かりやすいかもしれない。ページの最後に掲載された新聞記事のスクラップで団長さんの意外な写真が見られます。
2009年2月2日(月)
 気配はあるが・・・
 今日は、久しぶりに穏やかな天気になったので、横井出沿いの山道を歩いた。気温は日陰で8度だが、ほとんど風が無いので寒くはない。谷向かいに拡がる山肌の褐色の茂みの中からは時々、イノシシらしき動物の動く気配が感じられる。音から推察すると、数は多くないようでおそらく1〜2頭だろう。
 望遠レンズをセットし、10時15分からおよそ1時間半ほど待ってみたが、イノシシの姿を捕らえることは出来なかった。ここも、毎年少しずつ茂みが深くなり次第にイノシシの姿が見えにくくなってきている。
2009年1月29日(木)
 イノシシテレビ
 森の中に設置されたウェブカメラでイノシシの様子が見られるサイトBoar TV(イノシシテレビ)」が人気だそうです。場所はエストニアの森の中だそうで、エストニアってどこ?という人も多いと思いますが、まァ、遠い国デスww。

 但し、何時でも見られるわけではなく、現地時間の夕方に餌を置いたものを食べに来るそうで、日本時間では午前2時半〜3時頃になるという。この時間に、たまたま、起きていたヒトは興味本位で覗いて見るのもいいかもしれない。左の写真のように餌に釣られてやって来るイノシシの群れを見れたらラッキーだ。
       http://www.eenet.ee/EENet/
2009年1月29日(木)
 狩猟中の事故
 イノシシ猟中における事故の集計というものがある。これを見てみると、圧倒的に多いのは転倒による怪我で、狩猟中の事故のほとんどを占める。事故の当事者の多くは50歳以上で狩猟歴何十年といったベテランが多く、こんなところにも猟師の高齢化が垣間見えてくる。
 狩猟中の銃による事故では、暴発により自分の足を撃ったり、運悪く前にいる仲間のハンターに当たったりする場合である。この中には、本当は獲物と間違えて仲間を撃ってしまったものをあえて暴発と報告しているようなケースは無いのだろうか?

 最も問題なのは、獲物と間違えて仲間のハンターに撃たれてしまう誤射というケースだ。集計では、暴発も含めて誤射ということにされているが、暴発は意図しない発射であり二つは全く別モノだといえるだろう。暴発よりもはるかに件数は少ないが、誤射は、狙って撃たれるだけに致死率が高いのだ。
 イノシシ猟では、興奮したイノシシが向かってくる可能性はあるが、程度こそあれ怪我で済むことの方が多く、死亡事故にまで発展することは滅多にない。昨年の暮れに愛媛県でイノシシ猟中に牙で刺されて死亡するという希な事件が起きてはいるが、それでも、やはりイノシシよりも銃を持った仲間のハンターのほうがはるかに危険である。
 ガサガサと草むらが動いたくらいで、ビビッてしまい、イノシシの姿をロクに確認しないまま発砲するようなヤツとは一緒にグループを組まない方が安全というわけだ。

 静岡県の山中で5人のグループでイノシシ猟をしていた会社員が仲間の散弾に当たって死亡するという事件が発生した。 1月27日の午後、静岡県松市天竜区水窪町の山中でイノシシ猟をしていた48歳の男性が背中に銃弾をうけ、ドクターヘリで現場に駆けつけた医師によって死亡が確認された。

2009年1月28日(水)
 鳥獣被害
 鳥獣被害というと真っ先に、イノシシ、サル、シカによる被害を想像する。実際、この三種類によるものが鳥獣被害額全体においても およそ60パーセントを占めており圧倒的に大きい。しかし、こうした獣害の陰であまり目立たないが、無視出来ないものに鳥害がある。
 徳島県内では、鳥による害といえば鮎を食害するということで、カワウの存在がよく知られていて駆除も行われている。その他の鳥に対する被害は存在していても獣害ほどには あまり表には出てこない。しかし、ほうれん草やブロッコリーといった野菜の露地栽培では、カラスやヒヨドリといった鳥類による被害が深刻だ。
 
 写真は東田上地区内にある吉村家のブロッコリー畑である。畑の手前には まだそれほど被害は出ていないが、畑の奥の方ではヒヨドリによる食害が目立つ。一応、脅しとして反射テープを張り巡らしてはいるが、彼らはそれをほとんど気にせず、普段は畑の背後に拡がる竹藪付近に身を潜めていて時々、一斉に飛んできて葉を食い荒らすということを繰り返している。反対にイノシシはあまりブロッコリーを好まないようで、イノシシによる被害はこれまでにも出ていない。

 ブロッコリーの葉は収穫後には捨てられるモノだが、成長期の若い葉はヒヨドリにとっては美味いのだろう。ところで人間にもブロッコリーの葉が大好きというのがいるようで、世の中いろいろです。 
2009年1月26日(月)
 寂しい話
 岐阜県で、長年にわたって木製の檻で飼われていたイノシシが逃げ出し、やむなく射殺されるという事件が起こった。
昨日(1/25)午前、岐阜県梅津市五町の田でうろついていたイノシシが発見された。飼い主や通報をうけた梅津署員らがなんとかイノシシを檻に戻そうと試みたがうまくゆかず、最終的に人や車に危害が及ぶ可能性があると判断され、飼い主である猟友会会員が署員らの立ち会う中、射殺することを選択したのだという。

 このイノシシ、体重100キロの雄だが、子供の頃から猟友会会員である飼い主(75歳)に飼われていて15歳位になるという。イノシシの寿命は完全な自然状態では長くても8〜10年と言われ、狩猟圧のかかる状態では更に短く、実質2年程度であるとも言われている。そういうことを考えれば、15歳のイノシシといえばかなりの高齢で これは飼育下ならではの結果だろう。

 猟師がイノシシを飼うことは時々あるが、たいていは2〜3年経って成獣になると処分してしまう。イノシシは、子供の時期から飼うと人によく懐く。犬や猫のように飼い主の後をついて歩いたりもする。それでも可愛い時期は そう長くは続かず、イノシシが成獣になるにしたがって、その体の大きさもあって、もてあまし気味になりやがて愛情も薄れ、結局は処分されたり、時には自ら処分しきれずに山に放されたりすることになる。
 このイノシシのように15歳まで飼われるということは、おそらく飼い主の情が移って処分できなかったのではなかろうか。
2009年1月24日(土)
 野生イノシシ (PM4:30東田上にて)
 午前中は、小雪がちらつき寒かったのだが、昼頃からは青空が見え始めた。それでも気温が低いため、三脚を立てて寒風の中でイノシシを待つ気にはなれず、中望遠レンズを持って黒北方面へ出かけた。とりあえず歩いていると体は温まってくる。

 黒北の谷が狭くなった辺りの、山の斜面でガサガサというイノシシの動く音が聞こえてきた。距離はおよそ30〜40メートル。木の枝や枯れ草の隙間から時々、茶褐色の塊が動くのが見えた。イノシシは何頭かいたようだが、正確に視認できたのは2頭だけだった。
2009年1月24日(土)
 営業部イノシシ課
 佐賀県武雄市で、農作物被害防止のために有害駆除されるイノシシは年間1500頭になり、これらの有効利用策としてイノシシ肉の特産品化を目指している。
 国からの(農山漁村活性化プロジェクト支援交付金)と市の(補助金)を受け、猟友会会員らで構成された「武雄地域有害鳥獣等加工処理組合」の食肉加工施設(昨年11月17日起工)が来月完成予定で年間200頭のイノシシを処理し販売する計画だという。
 こうした取り組みにかける行政の意気込みも大きく、市では営業部内に今春から全国初の《イノシシ課》というものを新設することになったという。武雄市では営業部にレモングラス課というあまり聞き慣れないものが置かれている。現在はこの中に《いのしし係》というモノが置かれているのだが、これが4月から課に格上げされることになったのだという。

 レモングラスというのは市が特産化を進めているイネ科のハーブの一種で、これを栽培している畑がイノシシ被害に遭わないということから、これから抽出した成分(シトラール)がイノシシの忌避剤として使えるのではないかとも考えているらしい。

 ところで、イノシシに対する忌避剤は、クレオソートや木酢液さらには人毛などいろいろ言われてきたが、現在のところ決定的なものは無い。クレオソートやコールタール、テレピン油を含む松ヤニなどは体を擦りつけるような行動さえ見られ、むしろ誘因剤になっているようにさえ見える。
 イノシシは餌にならないモノを植えてある畑はあまり荒らさないようだ。レモングラスの場合を考えてみると、イネ科の植物は実が餌として食用にならない限りイノシシは興味を持たないように思える。つまり、レモングラスが嫌だから畑を荒らさないのでは無く、単にイノシシの餌として適さないために被害が無い、あるいはレモングラスが視界を遮っているため、ということも考えられる。もしそうだとすれば、抽出成分による忌避効果はあまり期待できないかもしれない。

 おもしろいことに、このレモングラスを好んで食べる猫がいるらしい。 
2009年1月23日(金)
 焼き場谷再び
 午後、焼き場谷へ入った。ここへは、半月前(今月6日)に来たばかりで、今回は、タマタマこの側を通りかかったので少し立ち寄ってみただけなのだ。
 このところ天候がすっきりせず小雨が降る日が多かったためか、谷底を流れる水はいつもより少し濁っていて、僅かだが水量も増えている。
 谷に沿って少しばかり歩いてみたがイノシシの気配は全く感じられなかった。
2009年1月21日(水)
 宇民さんのククリ罠
 このサイトを訪れる方々から、ククリ罠について教えて欲しいという声が多いということは、先日(1月10日)にも書いた。宇民さんの使用しているククリ罠についての情報、メーカー、入手方法に関する質問がほとんどである。問い合わせのあった方には、出来る限りお答えしている。

 ククリ罠は、種類が多いが、個人レベルで考案されたものも多く、市販品であっても、熟練した猟師にとっては物足りない部分なども残っていたりする。そのため色々と使いやすいように工夫をしている人もいる。宇民さんも押しバネ式のククリ罠にいくつかの改良を加え扱いやすくしている。猟師の中には、自分で工夫したものをあまり教えたがらない人もいるようだ。

 今回、宇民さんの協力を得、「イノシシ捕獲用ククリ罠の詳細」 として宇民さんの使用している罠の全てを公開することにしました。(左の写真)
          
「なんだョ、ちっちゃくて見えねェ〜よ」 と、思う人はクリックするとおっきくナリマス。
2009年1月19日(月)
 感染列島
 野生イノシシの約10パーセントからE型肝炎ウイルスが検出されたということはすでによく知られているが、今度は、かなりの確率で日本脳炎ウイルスに感染履歴があることが確認されたという。

 和歌山県田辺市周辺で捕獲されたイノシシ36頭を日本脳炎ウイルス抗体検査したところ、なんと80パーセントを超える30頭で陽性反応が出たという。尚、アライグマでは検査数68匹中47匹が陽性で、これは約70パーセントという結果になっていて、日本の野生動物はかなりの確率で感染しているようだと指摘されている。

 日本脳炎の感染経路は蚊による媒介であるため、イノシシ肉を食べることでは感染しないが、夏場の有害駆除期の、イノシシ罠の設置作業などでは、出来るだけ蚊に刺されないように防虫ネットなどを使用するのが良いということになるのだろう。
2009年1月14日(水)
 デカイのが獲れたそうです。
 滋賀県で大物イノシシ捕獲される。1月12日、滋賀県湖南市夏見の山で、数人のグループで猟に出かけたハンターによって240キロのイノシシが銃で仕留められたという。
 大物イノシシと言えば、2003年12月に、同じ滋賀県内でなんと偶然にも今回と同じ、240キロのイノシシが捕獲されており、これが我が国で捕獲されたイノシシで最大級と言われてきた。地元の新聞に掲載された今回の写真は、2003年のイノシシよりも体長が20センチほど短いためか、それほど大きくは見えないが、それでもかなりの大物である。

 話は少しヨコミチにそれるが、今、TV番組ベストハウス123で《夢をつかんだ奇跡のおデブ》というのが流れている。
で、世界一のダイエットということで体重560キロの男が230キロ減量して現在330キロになったというんだが、これって今回捕獲されたイノシシを体から一頭下ろしても、更にもう1頭担いでるのと同じことになるわけで、こんなのを見ていると240キロのイノシシがなんだか小さく感じてしまうwww。

 ところで、いつも思うのだが、イノシシを捕獲するたびに計量しているというハンターは滅多にいない。こちらの美馬市での有害捕獲記録に記載している重量も全てを実測している宇民さんを除いては残念ながら、ほとんどはハンターらによる推量値である。
2009年1月10日(土)
 小さな工夫


宇民さんが工夫して使用している、ククリ罠用の引き金となるネットとトタン板とそれを固定するための竹串
 イノシシ関連のサイトを開設していると、時々問い合わせがあるのだが、その中で最も多いのはククリ罠に関することである。使用しているメーカー及び、入手方法の問い合わせである。
 このサイトでは広告は一切行っていないので、サイト上では特定のメーカーや製品を推奨するということはしていない。
 猟師はそれぞれ好みの形式のものを選んで使用している。多くの猟師は、使ってみるうちに1種類のものに集約されてゆくようだが、中には、設置場所の条件によって、罠のタイプを使い分けている人もいる。市販のククリ罠は説明書通りに使用すれば一応は使えるようにはなっている。しかし熟練した罠猟師は自分なりに小さな工夫をしていることが多い。

 猟師によっては、イノシシが油や金属臭に警戒するということで、使用するククリ罠に使用するワイヤーの匂い消しのために柿渋と一緒に煮込んだりする人もいるようだ。しかし、これはあまり進められない。
 ククリ罠に使用するワイヤーは法の改正によって現在直径4ミリ以上を使用することが義務づけられている。ワイヤーは同じ外径でも細い針金を数多く束ねたモノの方が柔らかくしなりが良く、捕獲成功率が高くなる。そのためには、少なくとも先端部には《6×24》のワイヤーを使用するのが好ましい。しかしワイヤーを構成する針金が細くなれば、油抜きによってワイヤー全体の油切れが起こると錆の発生が早まり応力集中による切断の危険性が高まることも考えられる。

 ワイヤーの油抜きは、山奥での猟なら少しは有効なのかもしれない。しかし里山に生息し、人家近くに出没してくるようなイノシシは警戒心と共に大胆さも兼ね備えているようにも見える。田上地区でククリ罠を用いてイノシシを捕獲している宇民さんは、新品のワイヤーでも意図的な油抜きは一切行っていない。野山に設置しているうちに自然の雨風に洗われていくままに委ねている。実際の捕獲率は罠の匂いの有無よりもむしろ、設置場所の善し悪しの方がはるかに大きいことだけは確かだろう。
2009年1月8日(木)
 野生イノシシ
 久しぶりに野生イノシシを撮影してみようと、望遠レンズを担いで近くの山へ出かけた。気温は日陰で14度と暖かくはないが風がないのでそれほど寒くもない。1年ぶりに持つレンズと大型三脚はずっしりと重い。
 イノシシは夏場は草木の茂みに遮られてなかなか姿を見ることが出来ない。しかし冬期には、草木が枯れたり落葉するために山肌の視界が良くなり、直視出来るチャンスが拡がるのだ。

 午後1時20分に撮影場所に着き、三脚にレンズをセットしておよそ1時間近く待ったがイノシシの気配が感じられない。その時、後方の山道からカサカサという音がしたかと思うと、ククリ罠の見回りのために宇民さんが現れた。それから10分も経たないうちに山の斜面からイノシシの動く音が聞こえ始め、1頭の中型のイノシシ(写真)が姿を現したがすぐに枯れ草の中に消えていった。宇民さんが掛かりそうもないと判断した罠を撤去して持ち帰った後も、2時間ほど現地にとどまったがイノシシは姿を見せず、急速に気温が下がってきたので午後4時40分に帰路についた。

(写真のイノシシは、14時45分撮影 APS-Cデジタル、テレコン使用。 合成焦点距離1260mm(35mm換算)で撮影した画像を更にトリミング。倍率約2倍)
2009年1月7日(水)
 後継者
 田上地区内で積極的にイノシシの有害駆除を実践してきたのは宇民さんだけであった。その宇民さんも80近い高齢となり、このまま いつまでも駆除の最前線で活動を続けられるわけではない。イノシシの捕獲作業は場合によっては、かなりハードな作業になることもある。いつかはリタイアせざるを得ない。
 そういうこともあってか宇民さんは、かねてよりイノシシから自分たちの田畑を守ってゆくためには、地区内で駆除隊などの自衛組織を立ち上げるのが望ましいとの考えも持ってはいたものの、実際にイノシシ駆除を始めようとする者はなかなか出てこなかった。
 そんな中、田上地区で最も大規模に営農している吉村浩さんが宇民さんと共にイノシシ駆除を始めることになった。

 早速、本日の午後、西田上地区にあるブロッコリー畑を取り囲んでいる急斜面に宇民さんが用意したククリ罠が仕掛けられた。場所は竹と雑木が入り交じった急な斜面で、ここでは昨年の9月に宇民さんが3頭捕獲している。
 宇民さんと吉村さんが二人で茂みに分け入り、イノシシの通り道を入念に調べたうえで合計5個設置し、全ての作業が終了した時には4時30分を過ぎていた。
2009年1月6日(火)
 焼き場谷
 久しぶりに焼き場谷へ入ってみた。前回、この谷へ入ったのは昨年の6月14日であるから、半年ぶりになる。こんな谷には、普段は滅多に人が入ったりはしないのだが、所々に人が歩いた形跡が残っている。この辺りは、昨年12月19日に行方不明になり未だ発見されていない85歳の老人の捜索範囲に入っており、おそらくその捜索に入った跡であろうと思われる。

 焼き場谷は、入ってすぐに二手に分かれている。どちらも しばらく進むとそれ以上の進入を遮るかのように、砂防ダムが立ちはだかり、これを迂回して進むためには、足場が悪く滑りやすい山肌をよじ登る必要があるのだが、いつもこの辺りで意気込みが萎えてしまう。そういうわけで、この谷は黒北方面から下ったことはあるのだが、下から登り切ったことはまだ一度も無い。

       (写真右の赤い実はヤブコウジ科のツルコウジ、写真中央右は僅かに痕跡をとどめた防空壕の入り口)
2009年1月4日(日)
 イノシシハンター
 快晴で暖かかったので午後から横井出用水路沿いに黒北方面へ出かけた。今年になって最初の山歩きである。

 黒北のスダチ畑の近くで、顔見知りのハンター(新田さん)に出会った。新田さんは、この近くに毎年、檻やククリ罠を仕掛けていて、これまでに何頭ものイノシシを仕留めている。今期もすでに10頭を超えているようで、この7年間は毎年20頭を超えるペースで捕獲してきたらしい。
 使用しているククリ罠は、押しバネ式と引きバネ式を使い分けているようだが、どちらかというと引きバネ式の方が良いと言っていた。使用する罠の種類はそれぞれハンターの好みがあるようで、美馬市脇町地区で有害捕獲数が最も多い藤川貞幸さんは押しバネ式を使用している。宇民さんも押しバネ式を使用している。
 
 写真は新田さんが愛用している猟銃。新田さんは嘗て射撃競技で国体に出場した経験を持っているベテランである。多くのイノシシ猟師は12番(口径18ミリ)のスラッグ弾を使用しているようだが、この銃はひとまわり小口径の20番(口径16ミリ)である。非常に軽くて携帯には適しているが、口径が小さい分だけ弾の威力が弱いため、獲物の急所を正確に狙い撃つ腕が必要となる。
2009年1月1日(木)
 謹賀新年
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