宇民家の稲作アルバム2008        I N D E X         徳島県美馬市脇町田上地区
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@(ボカシ肥料を作る)

ミキサーを使用し、米ぬかに油かすを混ぜた後、EM菌を水と共に混ぜ込み発酵させる。宇民家の米は、農薬はもちろん、化学肥料も一切使用しないので、冬から春にかけてのこうした肥料作りは非常に大切な仕事となっている。

J(収穫までの管理)

田植え後は収穫までの3〜4ヶ月の間、毎日の水管理のために毎朝、田を見回り、稲穂が出てからは、スズメ対策としてネットを張り、脅しの設置も必要になってくる。穂が十分に実ってからは、刈り取り作業に備えて、水切りを行ない土を固めておく。

A(肥料を施し、耕起)

ボカシ肥料と鶏糞を発酵させたコンポスト肥料を蒔いた後、トラクターで耕す。
この田は稲の収穫後、秋から春までの間は自家用の野菜を栽培しているため、場所に応じて肥料の量を調整している。
K(極早生種、ハナエチゼンの収穫@)

極早生種であるハナエチゼンは田植えからおよそ100日で収穫期を迎える。この田も面積が狭く、嘗てはバインダーで刈り取り、天日干しを行っていたが、労力軽減のために、近年はコンバインによる作業に切り替えた。
B(稲苗の準備)

2008年、宇民家では、極早生種のハナエチゼン、中生種のヒノヒカリ、自家消費用としてのモチ米(みのり)の三種類の水稲を生産した。
L(極早生種、ハナエチゼンの収穫A)

早くから無農薬による米作りを実践している宇民家の田にはカブトエビが大量に発生して雑草の生育を抑えてくれている。カブトエビの卵ははこうして収穫の終わった田の土の中でも生き続け、翌年、田に水が張られると再び孵化する。
C(田植えの準備、代掻き作業)

田植えの3〜5日前には水を入れ代掻きを行う。田上地区は嘗ては水不足になる年もあった。そのため水持ちをよくするために代掻きを念入りに繰り返して行っていた。近年は稲作を止める家が多くなり、皮肉にも、その分、水不足は解消されつつある。
M(極早生種、ハナエチゼンの収穫B)

昨今、温暖化の影響が稲作にも影響を及ぼし始めている。夜間の温度が下がらないことによる稲の高温障害もその一つであり、2008年は、宇民家の稲でも少なからず影響はあった。
D(極早生種 ハナエチゼンの田植え@)

宇民家には10枚を超える田があるが、この田は最も山間にあり、イノシシ対策としてトタン板で周囲を囲んでいる。
田は崖に接しているため、崩落して次第に狭くなってしまった。
N(懐かしの手動式稲刈り機)

稲刈りは通常、田の規模に応じて(歩行型のバインダー)と(乗用型コンバイン)を使用している。
宇民家には、40年以上前に使用された手動式の稲刈り機が保存されている。
E(極早生種 ハナエチゼンの田植えA)

田上地区は河岸段丘上の斜面にあるため、狭小地であったり、不規則な形状である田も多く、小型で小回りのきく歩行型田植機が活躍する。
O(中生種、ヒノヒカリの収穫@)

この田は、宇民家では最も広い。収穫量も多く、全てを一度に刈り取ってしまうと、乾燥機の能力を超えてしまうため、2回に分けるなどして刈り取り量を調整することもある。
F(極早生種 ハナエチゼンの田植えB)

宇民家の田は、自宅のある田上地区内にもあるが、多くは(シマ)と呼ばれる吉野川流域に拡がる平野にある。シマという言葉には、(川沿いの耕地) という意味があると言われ、また (洪水の時に島のようになる) ことによるという説もある。
P(中生種、ヒノヒカリの収穫A)

中生種のヒノヒカリは、田植えから収穫まではおよそ4ヶ月の期間を要し、早生種よりも1ヶ月ほど収穫時期が遅い。その分、管理などの手間が 多くかかるが、食味が良いということで、宇民家でも生産量はこちらの方が多い。
G(中生種 ヒノヒカリの田植え作業)

田上地区と違って シマ にある田は、1枚当たりの面積も圧倒的に広いために、作業は乗用の田植機で行う。水は吉野川北岸用水から供給され、フロート式の自動給水弁が設置されている。
Q(モチ米の刈り取り、自然乾燥)

モチ米は生産量が少ないため、昔ながらの自然乾燥を行っている。ハデ竹に架けておよそ10日〜14日程、天日干しを行う。刈り取り直後には17.6%あった水分含有率が9日後には14.6%になった。
H(モチ米の田植え作業)

宇民家では、毎年、自宅前の田には自家用としてモチ米を栽培している。この田には、遠くの山からパイプを引いており、水量は少ないものの、24時間常時給水出来るようにしているため、今では水の心配は無くなった。
R(モチ米の脱穀作業)

水分含有率が14%台まで下がると、ハーベスターで脱穀作業を行う。今では、稲刈りはコンバインで行うことが多いため、ハーベスターの出番は次第に少なくなってきている。ここでの稲藁は保存用としている。
I(収穫までの管理  害虫たちとの戦い)

完全無農薬栽培は、イネミズゾウムシ等の厄介な害虫を手作業で取り除く必要がある。シマの田にはスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)も生息している。更に温暖化によって新顔の害虫が生息域を拡げつつある。
S(収穫後の作業 乾燥、籾摺り、精米)

収穫後はすぐに、乾燥機にかけて強制乾燥を行う。時間はかかるが、品質保持のため乾燥温度は低めに設定されている。収穫作業は常に乾燥機の能力を考慮しながら行なわれる。
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