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里山 フォトレポート シリーズ No.5

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(徳島県美馬市脇町東田上にて撮影 2007年1月5日)

● 《 想像上の生き物としての鵺(ヌエ) 》
 源頼政によって退治されたという架空の生き物で頭部は猿、胴体は狸、手足は虎、尾は蛇に似ているとされる。頭が猫、尾が狐という説もあるようだ。
● また、鵺(ヌエ)はヒタキ科の野鳥
トラツグミの別名でもある。この鳥は見てのとおり全身を特徴的な 虎模様で覆われている。しかしこの鳥の最大の特徴は鳴き声である。甲高い声でヒューヒューと鳴く。陽が落ちて辺りが闇に包まれてゆく頃、何処からともなく聞こえてくるこの声は気味悪がられた。横溝正史は、この不気味さを作品の中でのダイイングメッセージとしてうまく取り入れたのである。
 さて、少し余談になるが猛獣柄(トラ)を身にまとい、甲高い声を発し、不気味なものといえば、これは関西地方に棲息するある種の生物 ( 学名
oosakano obachan ) を連想してしまうのは私だけだろうか。

 《 鵺(ヌエ)の鳴く夜は怖ろしい
 実に印象的な言葉であった。1981年に横溝正史の悪霊島が映画化された時に使われた宣伝用キャッチコピー である。ナレーションのおどろおどろした声もあってか、妙に脳裏に焼きついている。
 考えてみれば、鵺(ヌエ)という言葉を私が始めて知ったのは、この時だったような気がする。
 ところでこのヌエという言葉は、(ヌエのような) とか (ヌエ的 )といったように《 怪しくて、掴み所が無く、得たいの知れない不気味なモノ 》というようなニュアンスで使われることが多いようである。

●トラツグミ ( ヒタキ科 ) Turdus dauma ハトより小さくヒヨドリよりやや大きい。体全体に黒と黄褐色のまだら模様がある。 シベリア〜アジア、オーストラリアにかけて分布。日本でも低い山や林で見ることが出来る。やや薄暗い茂みを好むようで出会えるチャンスはそれほど多くはない。夏場は山にいて、冬場に平地に降りてくることが多いので、観察にはこの時期が適している。

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20070113___20081003