photo by  Satoru Fujimoto

 藍は、我が国でも古くから染料として利用されてきた。安価な合成染料のインディゴが登場するまでは、藍は非常に重要な青色染料であった。現在はその風合いを愛する人に好まれる半ば工芸品的な染料になってきている。
 徳島県は江戸時代に藍の生産で栄えた歴史を持ち、今でも染料としての(すくも)の多くは本県で生産され、全国の染色業者向けに出荷されている。うだつの町並みとして知られた美馬市脇町の南町一帯も嘗ての藍商人たちの栄華の名残りのひとつである。

 このように藍は染料として用いられることが多いが、一方で薬用植物としての側面も持っている。薬効部位は藍の葉と実であり、解熱、消炎などが主なものだが、抗潰瘍作用があるともいわれている。
 田上地区内では、(薬学博士)村上光太郎氏の指導を受けているグループ、碧藍健康(へきらんけんこう)のメンバーによって3年前から遊休地を借りて藍の栽培が行われている。今年は、およそ20Kgの藍の実が採れた。収穫された実は藍茶の材料として利用される他に実を塗したクッキーなども作られる予定で販売も計画されているようだ。

 ( 藍、タデ科、 学名 Persicaria tinctoria )

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